ある男性に聞いた話です。彼が言うには、奥さんが「またホースを巻いてない。使ったらちゃんと巻いておかなきゃダメでしょ。何度言ったらわかるの」と言ったので、頭に来て言い返してけんかになったそうです。その奥さんは、日ごろから何事においても「また○○してない。○○しなきゃダメでしょ。何度言ったらわかるの」などの言い方が多いそうです。それで男性はストレスが溜まりまくるそうです。
このような言い方をされると、誰でも自分がとがめられ否定されたように感じてしまいます。これでは素直な気持ちになれませんし、それどころか、なんとか反抗したいという気持ちにすらなってしまいます。多くの人たちがこのような言い方をし続け、人間関係を壊しています。
あなたはいかがですか?日頃、子どもに対して「しっかり問題を読まなきゃダメだよ」「こぼしたら拭かなきゃダメでしょ」などという言い方をしていませんか?
これからは、「しっかり問題を読まなきゃダメだよ」を次のように替えて言うようにしてみましょう。
・1「しっかり問題を読もう」
・2「しっかり問題を読むといいよ」
・3「しっかり問題をよめば10点増えるよ」
1は「○○しよう」と単純に促す言い方です。2は「○○するといいよ」と肯定的に促しています。3は「○○するとこういういいことがあるよ」とプラスのイメージで促しています。これらの言い方には相手をとがめる要素がまったく入っていません。このように変えるだけで、素直に聞いてもらえるようになります。そして、人間関係もよくなっていきます。
人に何かを伝えるとき、一番大事なのは相手をとがめないということです。これは親子や夫婦の関係だけでなく、すべての人間関係に当てはまります。この一点に心がけているだけで、すべての人間関係がどんどんよくなっていきます。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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