「父親と母親、どういう役割分担が理想的なのでしょうか?」
これもしばしば聞かれる質問だが、私は、野球にたとえて、
「母親はコーチ、父親は監督という形がいいのではないでしょうか」
と答えることが多い。
近頃は、母親も派遣社員やパートをはじめ正社員として仕事を持つケースが増えているが、それにかかわらず、母親は子どものコンディションを把握し、一緒に悩んだり対策を考えたりするコーチ役、一方の父親はベンチでドンと構え、コーチからの情報を受けてアドバイスや指示を送る役どころでいいのではないか、と思うのだ。
たとえば、子どもが「学校に行きたくない」と言い出したとき、子どもの気持ちになって原因や対策を考えるのがコーチ役の母親だ。一方、父親は、母親から上がってきた情報や子どもの話をもとに、休ませるか通わせるかなどの大きな判断を下す監督というイメージだ。
しつけという面に限って説明しよう。
母親が、子どものルーズな生活態度や乱暴な言葉づかいを戒め、細かくしつけるタイプなら、父親は子どもの愚痴を聞いたり本音を引き出したりしながら、「なぜ、規則正しい生活習慣が大切なのか」や「どうして正しい言葉づかいしなければならないのか」を、社会に出て働いている立場から話して聞かせることだ。
言い換えれば、子どもの立ち居振る舞いを一つ一つチェックするのがコーチ役の母親で、監督役の父親は、子どもの逃げ場としての機能を果たしながら、
「なぜ、そうする必要があるのか。またそのことが将来、どんな意味を持つのか」
を説明し、一家の大黒柱としての揺るぎない価値観や家庭としての方針をきちんと伝えることが務めになる。
一つの野球チームに監督や鬼コーチが何人もは必要ないのと同様、家庭という限られた空間に同じ役割を担う人間は複数要らない。父親と母親は、それぞれの役どころを分担し合って子どもと向き合っていただけたらと思う。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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