中学受験の取材で子どもに話を聞こうとすると、両親のかげに隠れてしまうことがある。初対面の私に対して人見知りをしているのだなと思えば「かわいいな」と思うが、もう十二歳である。「かわいい」では済まされない気がするのだ。
わが子もかつてはそうだったが、皆さんの中にも、人見知りが激しい子どもを抱えている方がいるのではないだろうか。これは一朝一夕に改善されるものではないが、数ヶ月のスパンで見ると改善策はいくつもある。
まず、親が挨拶上手になることだ。
近所の人、学校関係者などに対して、「こんにちは」や「こんばんは」など、特に、普段、町内会や学校の保護者仲間と接触する機会が少ない父親は、明るく元気な声で挨拶してみよう。親の姿を見ている子どもは、少なくとも挨拶はできる子になる。挨拶はコミュニケーションの基本だ。「仲良くしましょう」や「よろしくお願いします」の意思表示でもあるので、第一歩は挨拶から始めてみよう。
次に、親が子どもに代わって話をするのをやめることだ。
「好きな食べ物は何かな? その理由も教えてくれる?」
と子どもに聞いているのに、親が、
「オムライスとハンバーグよね? だっておいしいもんね」
などと子どもの先回りして答えていると、子どもは人前で話す機会を失う。最初は「オムライス」とか「ハンバーグ」と単語でしか話せなくても、場数を踏めば、「私は○○が好きです。その理由は…」といったように、主語をつけ、理由まできちんと言えるようになる。そういう意味では、ファミリーレストランや回転寿司のお店も実戦の場になる。
「チーズハンバーグを一つ。それからこの子には…」
「海老とまぐろをさび抜きで一皿ずつお願いします」
お店に行くと、このように親が子どもの分まで注文している風景を見るが、いつまでもこの状態が続くのはよくない。子ども自身に注文させてみよう。
従業員は笑顔で返してくるはずだし、板前さんも「へい、かしこまりました」と言ってくれるはずだ。そうすれば、子どもに「自分で注文できた」という自信がつく。
同じようにデパートやショッピングモールに出かけても、子どもに「トイレはどこですか?」と聞かせてみよう。
このようにして、子どもの人見知りを緩和するには、親が努めて、子どもが第三者と話す機会を増やすようにすることが大事になると私は思うのだ。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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