人見知りもですが、うちの子は人前で何かを発表するとき、自信なさそうで、ひどいときには泣きそうになっちゃったりするんです」
このようなケースもあるだろう。近所づき合いなど非公式な場では物おじしなくなったとしても、発表会など公式な場となると話は別ということもある。
恥らったり怖がったりする気持ちは、なかなかぬぐい去りようがないが、次の二つのことをすると案外いい方向に行くことが多い。
一つは、キャラづけしてみることだ。
「普段は快活なのに、舞台に上がると蚊の鳴くような声で名前を言うのが精一杯」
「参観日で、勢いよく手を挙げる子どもの姿を一度も見たことがない」
このような子どもには、「アナウンサーになってみようか?」、「みのもんたになってみない?」と、特定のキャラを与えてみるのだ。言うなればロールプレイング(=役割を演じることで「気づき」を得る学習方法)である。
子どもは基本的に「ごっこ遊び」が好きなので、なりきらせることで「恥ずかしい」、「怖い」という心理的プレッシャーから解放される。素の自分では喋れないが、アナウンサーや人気キャスターになったつもりになれば、声が出るようになる。
もう一つの手が「皆に教えてあげて」という促しだ。
子どもは本来、教えたがりで話したがりだ。この特性を利用し、「それって面白い話だから皆に教えてあげて」、「上手だから皆に聴かせてあげて」と背中を押してみよう。
子どもの心の中から「面白くないかも」とか「下手だと言われるかも」といった不安が取り除かれ、少しは自信が湧いてくる。そしていざ成功すれば、子どもにとってその自信は確かなものになることだろう。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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