先月のコラムでは、「最初は遊びの要素を盛り込みながら、五分か十分からスタートし、机の前でじっとしていられる習慣をつけよう」と述べた。それができるようになったら第二ステップだ。
第二ステップのポイントは、少しの時間でも机に向かえたことをほめることだ。最初は五分か十分、しだいに三〇分程度まで伸ばしていき、あまり欲張らず、子どもが飽きないうちに終了する。終わったら、
「○○ちゃん、すごいね、十分間、お勉強できたね」
「えらいよ、今日は算数の問題を三つも解いたもんね」
などと、机に向かえたことをほめてやる。また、パパと一緒に何かを調べ、正解にたどり着いたり、一緒に考えて正しい答えを導き出したりした場合は、
「調べてみたら、すごいことがわかったね。発見するって面白いよね」
「いろいろ考えていると必ず答えって見つかるんだね。パパも勉強になったなあ」
などと語り、子どもに、「調べる=発見があって面白い」「考えることで答えが見つかる=楽しい」といったイメージを植えつけておこう。
申し上げるまでもないが、いやいやながら机の前に座らせても、学習効果は上がらない。
「もう小学○年生なんだから、ちゃんと勉強しなさい」
と繰り返すよりも、残業がなく定時に帰宅できたときや休日などに、パパと一緒に探求する面白さ、考える楽しさを実感させたほうがうまくいく。
たとえば、首都圏屈指の難関、開成中に子どもが合格した家庭では、毎週、決まって百ます計算などにチャレンジさせ、記録が早くなれば、「今日は新記録達成だね」とほめてきた。麻布中などに合格した子どもの家庭でも、パパと子どもとで一緒に同じ算数の問題を解き、パパがあえて間違えてみせ、「○○ちゃんはすごいね、パパはわからなかったよ」などと絶賛してみせてきた。
どちらにも、パパによるポジティブな言葉がけがあり、それによって「勉強は楽しい」という「気づき」を得たという共通する過去があるように思うのだ。
厳禁なのは、どんな場合でも叱らないことだ。「こんな易しい問題、わからないの?」などと詰問調の言葉も禁句。にこにこと穏やかに、できたらほめ、短い時間でもがんばれたらほめ、とにかく「一ほめ、二ほめ、三にほめ」のスタンスでいこう。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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