子どもを伸ばしたいなら、親自身も、「自立した人間として力強く生きていく」姿を、子どもの範となるよう見せるべきというお話を。
次の数字を見てほしい。
◆首都圏有名中学合格者アンケート(2005年~2009年調査 ※サンプル数100)
○お父さんやお母さんは、あなたにとって自慢の親ですか?
・対父親 強くそう思う 52人 そう思う 31人
・対母親 強くそう思う 69人 そう思う 23人
過去に取材した有名中学合格者の多くが、それぞれ両親を肯定的にとらえていることがわかる。父親に対しては8割以上、母親については9割を超える子どもが「自慢」と回答している。
皆さんの家庭ではどうだろう。子どもは筆者が用意したアンケート用紙の選択肢のなかから、「強くそう思う」や「そう思う」に「○」をつけてくれるだろうか。
実はここに、子どもを伸ばす戦略的なポイントがある。それは、両親である夫婦それぞれが、各々の夢や目標を持って生きるということだ。
閉塞感が覆う現代、社会の最前線で生きている親からすれば、「何とかしたいけれど何ともできない」というもどかしさに加え、「今から何かをやっても遅いのではないか」「それに何かをやろうとすると時間とコストが相当かかるのではないか」といったブレーキまで働き、動けないままでいる人が多いように感じる。
しかし、それでは、たった一度の人生など、アッと言う間に過ぎてしまうし、子育てという観点からもプラスには機能しなくなる。
つまり、親自身が動いてみるのだ。親自身が数年がかりで達成したい目標を設定して行動を起こしてみることだ。
筆者の例で言えば、「○○歳になる頃には、今の職場から大学の専任教員に転身する」という夢を、家族全員にわかるように打ち出して、その実現に向けて動いてみることである。
親が夢を持てば子も夢を持つ。親が伸びれば子も伸びようとする。筆者は経験則からそう信じている。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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