「子育てはヨイショが九割!」
私がこのように感じたのは、首都圏の難関中学に子どもを合格させた家庭を取材するようになってからのことだ。子どもの学力がグーンと伸びた家庭には、ほめ上手な父親が存在するという共通点を発見したからだ。
私も娘に、「勉強しなさい」「何をやってんだ。ホントにお前はダメだなあ」などと、つい口走ってしまうことがあるが、言われた子どもは、落胆し傷つくか、内心、猛反発しているものである。
やはり、子どもをのせ、次も頑張ろうという気持ちにさせるには、ヨイショが一番だ。事実、開成や麻布といった難関中学に子どもを合格させた家庭では、たとえば子どもが算数のテストで低い点数を取ってきた場合でも、父親が、「前は50点以下だったのによくやったな」などとほめているのだ。
また、近くにある百貨店主催の展覧会で絵が入選したときも、「すごいじゃないか」とほめちぎり、父親も子どもと一緒になって、喜びを共有しようと努めているのだ。
本音では、(80点は取ってこいよ)(せめて銀賞はほしかったな)と思っていても、である。
だから、もし子どもが「60点しか取れなかったよ」とか、「たかが入選じゃん」と言ってきた場合でも、「そんなことないよ」と打ち消し、わずかでも成績がアップしたことや多くの作品の中から選ばれたことをほめてやってほしい。
特に「さしすせそ」でほめると効果がある。
さ=さすが、し=信じられない、す=すごい、せ=せっかく○○したのにね、そ=そのとおり…の五つである。労をねぎらう「せっかく○○したのにね」も含めて使えば、子どもの気持ちはのってくる。
父親がほめ上手になれば、子どもの中に(愛されている)という実感が湧く。
そのことが子どもの心を安定させ、次へと意欲をかき立てる導火線になる。そう言えば、最近、私は上司にも妻にもほめられていないなあ。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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