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コラム 教育

2009年10月15日

子どもの応援には、あえて行かない

 秋たけなわ。スポーツの秋真っ盛りだ。土日ともなると、わが豪邸?の近くにある小学校や公園からは、野球やサッカーに興じる子どもたちの歓声が聞こえてくる。

 うちの娘も数年前から、市内の複数の小学校の子どもたちを集めたミニバスケットボールのチームに所属し、週末はいつも練習や試合に出かけて不在だ。私は学生時代、バスケットをやっていたので、ちょいと体育館へ覗きに行き、アニマル浜口さんばりに、「ほらシュートだ、気合いだ!」
と、応援したい衝動にかられるが、以前、娘に、「パパ、応援には来ないで!」ときつく言われたことを契機に、見に行かないようにしている。娘の指摘は、ある面、的を射ていると考えたからだ。

 スポーツクラブの活動は、子どもにとって息抜きの場所でもある。家庭や学校という日常生活を離れて、監督やコーチ、学校以外の友だちと親しくなれる別世界だ。そこに毎回、オヤジがしゃしゃり出ることは、子どもによっては負担に感じる場合もある。

 少年野球やサッカーの光景を見ていると、父親が子どもを叱咤激励している場面に出くわす。中には、モンスターペアレントさながらに、「なぜ、うちの子を使わないんだ?」と監督に迫っている父親もいる。

 これでは子どもが自分の力でうまくなろうとし、新たな人間関係を築こうとしているのを台無しにしてしまう恐れがある。

 もし、子どものスポーツ活動を熱く応援しているお父さんがいたら、今週は見に行くのをお休みしてみてはいかがだろうか。前面に出るだけが出番ではない。親が知らない世界で成長している子どもを影ながら応援するのも父親の務めなのだと思う。

 これは、母親についても同じ。熱くなりすぎているなら、ちょっと俯瞰して見ることをおすすめしたい。そのほうが、子どもはのびのびとした子に育つ。

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

びわこ成蹊スポーツ大学特任教授

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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