バレンタインデーのシーズンである。私の場合、職場だけでなく、大学の教え子であるの女子大生からもドサッとチョコが来るので、嬉しさを通り越し、一年で最も憂鬱な季節である。(かなり見栄張りすぎか…)
さて、女の子を持つ父親の場合、帰宅すれば娘からもチョコがもらえる可能性が高い。問題は、もらった時のリアクションだが、父親たるもの、大げさに喜びを表現すべきである。
「はい、これ」とチョコを差し出す娘の心は、父親が満面の笑顔で受け取ってくれることへの期待感でいっぱいだ。そこで、「ありがとう。後で食べるね」などと素っ気ない反応を見せてしまうと、その心は大きく傷つくから注意が必要だ。市販のチョコであっても、すぐに一つを口に入れ、タレントの石塚英彦さんばりに「まいうー」と大声で叫ぶくらいのリアクションはほしい。
もし手作りだった場合、さらにオーバーアクションが必要になる。抱き締めたり小躍りするのは当然。たとえそれがイマイチの味だったとしても、グルメ番組で活躍する彦麿呂さんのように、「うわ~、美味しさの宝石箱や~」くらいのことは言っておこう。
近頃は男の子でも母親とチョコを作って父親にプレゼントするケースがあるが、その場合も労をねぎらい大いに喜ぼう。
「ほめ上手」は子どもを伸ばす鉄則の1つだが、「大げさに喜ぶ」も、同じくらい子どものやる気を引き出す効果があるので、チョコに限らず、成績が少しでも上がった時など、オーバーなくらいに喜びを表現してみよう。
テレビで大活躍している明石家さんまさんやみのもんたさんが、共演したタレントの支持を集めるのは、このオーバーなリアクションが心地よいからである。(ところで我が娘は忘れずにチョコを用意してくれているだろうか…見栄張った割には不安)
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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