子どもの言動には何らかのメッセージが込められていることがある。言葉に出てくるメッセージとしては、ウソが代表格だ。
ウソをつくということは悪いことではあるが、単に子どもがウソをついたことを叱るのではなく、その背景には何があるのかを嗅ぎ取ってほしいのだ。
実際、子どもがつくウソにはさまざまな種類がある。一つは「自分の失敗や間違いをごまかそうとするウソ」、それから「自分のかなわない願望を事実のように語るウソ」、それに「ママやパパの関心を引こうとつくウソ」だ。
このうち「失敗をごまかすウソ」は、私自身も幼い頃に経験したウソで、子どもがつくウソの中でも頻度が高い部類に入る。親が、子どもに「頭のいい子であること」などを求めすぎると、子どもはその期待に添えない結果が出た場合、何とかそれを隠そうとする。ダメな部分を親に見せたくないという意識が働くからだ。
「クラスの子、みんな、逆上がりができなかった」
「満点を取った子は一人もいなくて、みんな僕と同じ五〇点くらいだった」
子どもにこんなウソをつかせないようにするには、「努力していれば、今度はきっといい結果が出る」というメッセージをママが伝えてあげることだ。
二つめの「願望をウソで事実化する」も、よくあるパターンで、クラス全員ができたことを、自分一人ができたと得意気に語ってみたりするのは、その代表例だ。この場合、ウソだと判明したとき、そのことはきちんと叱ったうえで、
「そうか、一番になりたかったんだね。じゃあ今度は努力してホントに一番になろう」
このように、ウソを子どもの本音ととらえ、その思いをママも共有してみよう。
三つめの「親の関心を引くウソ」は、「お腹が痛い」というふりをしたり、「ものがなくなった」と騒いだりすることで表すことが多い。どんな場合でも、淋しさや怖さなど不安からつくウソが多いので、ママは子どもとの時間をできるだけ多く持ち、「ママはいつもそばにいるからね」というシグナルを明確に子どもに送ろう。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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