二〇一〇年、オランダ・ハーグで開かれた世界ジュニアフィギュアスケート選手権で見事に優勝を飾った村上佳菜子選手。子どもの頃から四歳年上の浅田真央選手と同じリンクで練習を重ね、才能が開花した選手である。村上選手が「二〇一四年ソチ冬季五輪の星」などと呼ばれるようになったのは、浅田選手を姉のように慕い、その背中を追いかけながら、負けまいと研鑽を積んできた成果だ。
同じように、女子レスリングの伊調馨選手は三つ年上の姉、千春選手と練習をすることで強くなったアスリートであり、メジャーリーグで活躍する岩村明憲選手やメジャー経験がある井口資仁選手も、兄が野球をしていたことで自身も開眼したプロ野球選手である。
つまり、年上の人間と接することは、子どもを成長させるうえで大きなプラスになるということだ。
しかし、実際は、核家族化が一段と進み、兄弟姉妹で遊ぶという光景が少なくなった。このことは、子どもの好奇心や負けん気を引き出すうえで大きなマイナス要因になっているように私には思えてならないのだ。
子どもの大きな特徴は、ママやパパをはじめ、自分より年上の人たちの行動をまねようとするところにある。さらに言えば、ちょっと難しめのもの、やや高度なものに挑戦したがるという面も併せ持っている。
何もスポーツに限らず、年上の子どもと一緒に遊ばせたり、習い事の場で学ばせたりすることは、まねたがり、挑戦したがる子どもの本能をくすぐることになるのである。
子どもは、年上の子どもを目標や参考にしながら、知的欲求を高め、成長していくものなので、ママにはできるだけ、わが子が年上の子と一緒に遊んだり学んだりできる環境を作り出してほしいと思うのだ。もちろん、極度に人見知りするような子は、最初、注意が必要かもしれないが、すぐに環境に適応し、年上の子どもの中に優れた部分を発見すれば、
(自分もあの子のようになりたい)と思うようになるはずだ。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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