健康なカラダを手に入れたとしたなら、次にカラダを磨かなくては美しくはなりません。最初から、いい女なんていないのです。たとえ最初から容姿端麗だったとしても、いい女は必ず美しくなるために努力をしています。
例えば歯。毎日、磨いているのはもちろんのこと、半年に一度ぐらいの割合で定期的にクリーニングをしているはずです。歯垢を取り除くのはもちろん、審美的なことにこだわっている女性は、ホワイトニングをしたりもしています。
ボディも、週に一度ぐらいはスクラブして肌をツルツルにキープしています。自分が触れて気持ちいいと感じるようにするのはもちろん、いつなんどき男が触れてもいいように、ボディクリームを塗って、みずみずしい肌にしています。
かかとは、バスタイムで角質を取ってケアするのはもちろん、ざらついていたらクリームを塗って保湿をします。寝ているあいだに保護をして、美しいかかとを保っている女性もいます。かかとの部分が露出するバックストラップのハイヒールをはいたときに、かかとが手入れされていなければ、美しくみえないことを知っているからです。
爪もそう。2週間ぐらいに一度はネイルサロンで美しく整えています。せっかく美しく整えているネイルが、料理をしていて少しはげてしまったら?どんなに忙しかったとしても、こっそり自宅で直したりしていたりするのです。たとえ健康な手であったとしても、爪が真っ黒だったら? 爪が長すぎ(不潔に見え)だったら?男は美しいとは思いません。
美しさとは、イコール清潔なことでもあります。過剰なネイルも、派手好きな女性たちからは賛美の声を得られるかもしれませんが、男は美しいとは感じません。長すぎず短すぎず、自分の指を一番美しく見せる爪の長さを保ち、清潔であることが大事なのです。洋服の邪魔にならないシンプル&シックなカラーのネイルこそ、男が望む知的でセクシーな女性の指先なのです。
肌の色にもよりますが、ベージュ系の爪の色は、指先を長く見せる効果があるので美しく見えます。夏だったら、白の分量を増やした明るめのベージュ系がいいでしょう。冬場になったら、ブラウン系のベージュにしていくと、落ち着いた印象に見えます。
髪にも同じことが言えます。健康的な髪なら、自分に似合う美しいヘアスタイルにすることが大切です。欧米人に比べ、日本人は扁平的な頭のカタチや顔の人がほとんどです。だからこそ、頭や顔のカタチが美しく見えるように、計算された似合うヘアスタイル(髪形)を見つけなければならないのです。立体的な頭や顔に見えるように後頭部を丸くカットし、前髪を立体的に見せる必要があります。
また、美しいヘアスタイルにカットしてあったとしても、ワックスやヘアクリームなど、スタイリング剤がベタベタついている髪は美しくありません。風がなびいたときにも、手で髪をかき上げたときにも美しく決まる、肩の長さぐらいの自然なヘアカット。これこそ素敵な女性のヘアスタイルです。映画『トーマスクラウンアフェア』や『男と女』などに出てくる女優たちのヘアスタイルを参考に、現代的なアレンジを加えていてみるといいでしょう。
肌も同じです。健康的な肌を手に入れたのなら、自分に似合うメイクをすることが大切です。洋服は洋の服であり、和服は和の服。つまり洋服を美しく着こなすためには、西洋の人たちに少しでも近づくことが、洋服が似合うようになるコツでもあるのです。だからこそ、メイクも扁平な日本人の顔を少しでも立体的に見せるようにすること。
髪形もメイクも、基本は同じなのです。個性を最大限に美しく見せるようにすること。目が小さければ目が大きく見えるように、彫りが浅かったら彫りを深く見せ陰影が出るように立体感をつけること。健康的なカラダを、より美しくみせるために磨くことは、素敵な女性になるための第二の条件なのです。
これは、男性でも同じことが言えます。健康的なカラダを持っているのなら、磨かなければ美しくはなりません。装う前に、健康的なカラダを美しく磨き、キープすること。これは、男女関係なくモテるようになるための第二の条件なのです。
干場義雅ほしばよしまさ
ファッションディレクター
東京生まれ。スタイルクリニック代表取締役。三代続くテーラーの家に生まれる。「POPEYE」でモデル、BEAMSで販売を経験後、出版社へ。「MA-1」、「モノ・マガジン」、「エスクァイア日本版」などの編…
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