保険は、万が一のことが起こったときのために備えるものです。未来は誰にも分かりませんが、病気や事故など、起こっては困ることを想定することはできるでしょう。ただ、起こっては困ることは、個人や家族の状況によって変化すること。医療保険をどのように選ぶかという、まずは自分自身や家族にどのようなニーズがあるのか、いくつかの基本事項から押さえておきましょう。
まず、本人や家族の年齢。厚生労働省が発表する統計データに「年齢階級別にみた受療率」(平成17年)というものがあります。データとしては、男性と女性別の受療率が明らかになっているし、入院と通院の受療率もわかります。受療率は年齢が上がるとともに上昇していきます。これは入院も外来も同じ傾向です。例えば、最も入院の受療率が低いのは、人口10万人に対して110人という10~14歳の階層。逆に、最も高いのは90歳以上の12000人、つまり約8人に1人は入院することです。50~59歳1036人で、10~14歳階層のほぼ10倍。これが70~74歳階層2501人です。
次に、面倒を見なくてはいけない家族の状況を考えてみましょう。
まず、シングルの社会人なら、入院の受療率も20歳代では200人代となり、自分自身のための医療保障だけでも必要かどうか疑問。保険が必要になるのは、万が一のことが起こった場合に困ってしまう人、つまり、扶養しなくてはいけない家族がいるかどうかです。たとえば、子供がまだいない夫婦のみの場合には、まだ貯蓄重視でもよいかもしれないですが、子供ができると子供が育ち独立するまでは、生命保険や医療保険による保障を考えたいものです。もちろん、これら保険が不要になるほどの金融資産があれば別ですが、ほとんどの場合は、生命保険以外にも医療保障があればベターといえるでしょう。そして、子供が独立、巣立っていけば保険の見直しが必要になります。しかし、医療保障・医療保険は、すでに述べたように受療率が50歳以上になると受療率は急速に上がっています。当然、病気になる可能性が高まるわけですから、保障は最低限確保しておきましょう。
最後に、健康保険との関係を押さえておきましょう。
健康保険には、会社員などの健保組合・協会けんぽと自営業者などの国民健康保険がある。健康保険によって医療給付に違いがあり、国民健康保険の場合には、会社員よりも医療保険の活用を考える必要があるといえます。というのも、健保組合の場合には独自に給付を手厚くできるために国民健康保険と違いが生じることになるからです。
現在、健康保険では入院外来ともに医療費の3割が自己負担、また治療によっては健康保険の対象となっていない全額自己負担の場合や差額ベッドなど健康保険給付対象外への支払いに医療保険を活用したい。3割の自己負担があるといっても医療費が高額になる場合には、一定限度以上の負担はしなくてもよい「高額療養費」という制度があります。
医療保険は、月々の保険料がそれほど大きくはならなくても長期にわたるのが普通、そのため総額で考えると大きな買い物です。
医療保険は、公的な健康保険の補完するものであるという位置づけで考えれば、カバーする必要にある部分は、自己負担金や差額ベッド代、交通費などということになり、基本部分をまずはカバーしたい。先進医療を受ける確率は少ないかもしれないが、先進医療特約つける。次に、ガンになるのではないかと不安があるのならガン保険に同時に加入することによって保障をかなり充実することができるでしょう。
各人のニーズに応じた医療保険を選択していただきたいです。
井戸美枝いどみえ
井戸美枝事務所代表
神戸生まれ。関西大学社会学部卒業。 ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士・キャリアカウンセラーとして、相談、講演、執筆活動を行う。複雑なお金にかかわる動きを、かんたんに読み解く経済エッセイストと…
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