お金をお金で殖やそうと考えるとき、いろいろな考え方や方法があります。
まず、その一つとして、デイトレード。デイトレードは、一日の取引を行う方法です。株式市場において、朝に取引を開始して場が引けるまでに手じまいするというものです。デイトレードは1日の市場の動きのなかから収益を上げるわけです。しかし、このような方法は、心配事が翌日に持ち越される精神的なストレスを生むかもしれません。このようなストレスに弱い人は、この投資スタイルはあっていないでしょう。金額の多寡にかかわらず、自分が投資した株価の上下が気になるのはあたり前です。しかし、投資が気になって仕方がなく日常生活や仕事などに影響を及ぼすのは、困ります。
さて、投資のために毎日に一定の時間がとれない人、短期間の売買が苦手な人は、長期的な資産形成を行い、時間を味方にしましょう。長期間の資産形成ですから、老後資金の蓄積に最適なものと思います。これからの年金の状況を考えると、老後資金の蓄積は最重要課題です。そのためにも、10年、20年、30年にわたる長期の資産形成が必要なのです。
そのためには、積立と複利の効果を知ることからはじめましょう。
積立は、毎月決めた金額を途中で引き出すことなくコツコツ貯めることです。途中で積立を止めたり、引き出したりしなければ、いつかは目標額を達成できます。
次に、複利の効果です。複利とは、一定期間ごとに利息を元本に加え、利息にも利息がついて資金全体が増えていくことです。毎月1万円を3%で複利運用すると、5年後には63.7万円ですが、30年続けると526.5万円となります。毎月1万円としていますが、これを5万円にすると30年後には526.5万円の5倍、2632.5万円となります。
現在の低金利状況では預貯金だけで3%の確保はむつかしいのですが、投資信託などの金融商品を選択する方法があります。定期的な見直しが必要になりますが、日常生活や仕事と投資の両立が図りやすいでしょう。
井戸美枝いどみえ
井戸美枝事務所代表
神戸生まれ。関西大学社会学部卒業。 ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士・キャリアカウンセラーとして、相談、講演、執筆活動を行う。複雑なお金にかかわる動きを、かんたんに読み解く経済エッセイストと…
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