渋谷から代々木方面に歩いていく細道にある、熱帯音楽酒場、ロス・バルバドス。知る人ぞ知る8席だけのカウンターで待ち合わせていたのは、ファッションウィークでパリから一時帰国してきたコーディネーターのMikaさん。新しく立ち上げる女性メディアに参加していただくため、知人の人気ブロガー情報をもとに、打ち合わせのお店を決めました。
私たちが貴重な2席に座われたのは20時30分。狭い店内で肩が触れ合う両隣のカップルは、すっかりテンションがあがっている様子でした。盛り上がる会話に巻き込まれないよう自分たちのスタンスを守れるか心配していたところ、
「恋やファッションが優先するのは30代まで。40代になったら、何より健康よ」連れの若い女性に熱く語る先輩らしき女性の声が店内に響きました。思わず、声のする左隣を見てみると、テーブルには、純粋菜食者、完全菜食主義者のためのビーガン食を注文した形跡。食後のお茶を手にする女性は、黒縁のオシャレなメガネをかけた知的な感じの美人です。ベジタリアンのせいか、肌の調子もかなり良さそう。でも、一見、超ナチュラルに見える彼女から、内臓を刺激するようなピリピリ感が伝わってきました。
その後、私たちにもメニューが渡され、「体にいいものいただきますか」ということで、再会を祝して、ヴァンナチュールワインで乾杯。いよいよ、お料理を決めようとしていると、今度は右隣りから、叱咤激励する大きな声が聞こえてきたのです。
「もう40代になってしまったんだから、いい加減、ぐずぐず言ってないで好きなことをやるべきじゃない?」と年上らしき口調の彼女が、キレイめなコンサバファッションでまとめた感じのいい年下の彼に独立のはっぱをかけている様子でした。振り返った彼女はセミロングの髪にカーキのシャツとホワイトデニムをさらっと合わせた、篠原涼子風のナチュラルセクシーな美人。でも、またも、あのピリピリ感が伝わってきたのでした。
「スパイシーなものが好きな女性たちは、スパイシーになっていくのか…」Mikaさんと私はお店への後入りを挽回すべく、ワインのおかわりとアフリカ料理をいただきながら、このピリッと女っぷりのいい両隣の女性について、同じ見解を持ち始めていました。
きっと彼女たちは、すでに出来上がった男性型の価値観の中で、沢山の制約に縛られて息苦しく生きているのではないか。思うように自由に生きられないイライラを後輩女性や年下の彼といった少し優位に立てる身近な人にぶつけているのだと感じていました。美人ゆえに、よけい風当りも強くストレスは大きいのではないかと。
二軒目の店に移動しながら、「お道具を持っていたらあのピリピリ感を癒してあげたかったね」という話になりました。実はMikaさんは日本で耳のツボに効く石をセッティングする耳ツボジュエリーの資格を取って、ファッション関係者をはじめ、海外で活躍するモデルやクリエーターたちに施術。ツボによるさまざまなリラックス効果はもちろんのこと、スワロフスキーの石を使うクオリティーと、ファッション性の高いデザインも口コミとなってMIMI THERAPYのイベントとして、人気を集めているのです。今回の帰国中も、ファション、音楽、食と、さまざまなコーディネートの打ち合わせに忙しい合間に、リピーターからの予約が相次ぎ、スケジュールは一杯。華やかに見える世界の仕事こそストレスを伴うという女性から、オシャレな気分で癒されると評判でした。
「本当は40代でも恋をしたい」「本当は40代からでも好きなことを仕事として始めたい」カウンターの両隣りにいた二人の女性の本音ではないでしょうか。叶わない現状への不満ががストレスとしてピリピリと伝わってきたあの瞬間に、Mikaさんのその場ですぐに出来るMIMI THERAPYを実施してあげられれば 、彼女たちの気持ちも少し軽くしてあげることができたかと思います。
準備中のメディアではMikaさんを始め、女性のココロに効く新しいコンテンツ満載の予定です。ただ今、私自身も実験台となって検証、着々と準備を進めています。
中村浩子なかむらひろこ
株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長
大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…
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