毎年、GWあたりから街中で見かける不思議なファッションが、気になって仕方がありません。長く女性誌のライターをしていたので、マンウォッチングは得意の取材方法。街を歩いていても、車を運転していても、気になるオーラを出している女性に目が行ってしまうのですが、この季節になるとそれがUVケアマニアと呼ぶべき女性達に集中してしまいます。
「化粧品だけじゃない、UVケアファッション発見!」
雑誌的にタイトルを付けるならこんな感じでしょうか。
先日、セレブ主婦が集まるスウィーツカフェで、思わず目が釘付けになった二人組のママ。その二人は、揃ってフルレングスのドレスに合わせてもおかしくないロングスリーブの手袋をはめ、首にはシフォンの大判ストールをぐるっと巻き、つばの広い大きな帽子に、オードリー・ヘップバーンがかけていたような真っ黒なサングラス姿でカートを押しながら入って来ました。
「今年はUVケアもエレガンス系復活?」
思わず目を奪われていると、ナント、カフェのテラス席でその二人に手を振っている別のママもスーパーロング手袋着用で、やはり同じようなコーディネート。
「きっとどこかに、このスタイルのお手本となる人がいるはず」
エレガンス系カートママのUVファッションを追いかけてみるとオモシロそう。
仕事柄、女性マーケットについてよくたずねられますが、マーケットは現場、そこに暮らすリーダー達が発信するサインを見逃さないこととお話しています。見つけた瞬間に行動する、早速取材開始です。
「大変失礼かと思いますが・・・・・・」
不信感を持たれずに話しかけるテクニックは、読者モデル10000人発掘のキャリアのたまもの。初対面で女心を掴むコツはまず、お二人の華麗なる(?)UVケアファッションを褒めた上で、ぜひ聞かせていただきたいという雰囲気の中、ガールズトークを展開。このファッションのキーワードを探していくと、たどり着いたのが「バレエ教室」でした。
なるほど、今、女の子ママが通わせたいお稽古NO.1のバレエ。中でも美肌美白マニアとして有名な某女優が娘を通わせているブランドバレエ教室からこのスタイルが生まれ、セレブママ達へ口コミとケータイで広がっている様子。
「去年は短め丈でスタイル良く見えるUVボレロを、神戸のブランドから取り寄せたんです。」
ボレロもバレエのレッスン着に由来するもの。お取り寄せの理由はエレガンスの本場、神戸の高級感だとか。それにしてもこのスーパーロングの手袋は、どう見ても夏のファッションとして気になるのですが・・・・・・。
本音を抑えつつ、取材を進めてみると
「基本は手袋、ストール、帽子をモノトーンかベージュ系のどちらかでコーディネート。さらに目から入る紫外線がお肌にも影響することがわかったので、真っ黒の大きめサングラスもプラス。4点セットでオードリー・ヘップバーン風にまとめれば完璧です」
まさにコミュニティー発の流行、「私達には私達のUVケアファッションがある」の実例です。
業界のトレンドやモードに左右されない、私達ならではのキレイの法則。顔の見える女性達の本音から生まれるファッションやビューティこそ、女心の真実として私の好奇心を刺激し続けてくれます。
中村浩子なかむらひろこ
株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長
大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…
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