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2009年07月03日

バイブルは人に移っている

 6月10日、㈱船井総合研究所とVENUS PROJECTによる、今迄にない新しい形の化粧品メーカー向けセミナーを開催しました。

せっかく来ていただいたのだから、「得した!」と思って帰っていただきたい。
サービス精神旺盛な私としては、今日、このタイミングでしか言えないオフレコぎりぎりのネタも含めて、「女心を掴むコツ」をキーワード別に用意しましたが、今回のVENUS EYESでは、セミナーでふれた「今、女性マーケット開発に必要なポイント」についてお話しします。

 私達が雑誌をつくっていた80年代、90年代、2000年の始めまでは、メディアは情報が信頼できるという潜在心理に裏打ちされていました。だから、JJやVERYはその読んでいる人たちのバイブルだったのです。バイブルとは、つまり「中身全てを信用しているというもの」といえます。ですので、この時代に掲載された商品やサービスなどは爆発的なブームを巻き起こしたものです。
それが残念なことに、「今は信頼できなくなった!」というのが、取材や調査を通じて得た読者の本音です。

では、なぜ信頼できなくなったのでしょうか?それは雑誌のみならず「メディアとクライアントが近づきすぎ、クライアントよりの情報で、本当の情報が少なくなった」ことが原因といえるでしょう。
読者は、記事風の広告やタイアップ広告を掲載しても「これはPR」ということがわかってしまうのです。

では、現在、実際トップ読者と呼ばれている人達は、どんな情報を信頼しているのでしょう?
インターネットなどの情報も大切にしていますが、結論から言うと「信頼できる人」からの情報をもっとも大切にしているのです。信頼はメディアから人へ、つまり、「バイブルは人に移っている」といえます。

では、どのような人が「信頼できる人」なのでしょうか?
その人たちは、
◎ おしゃれに敏感
◎ よいのもを知っているから、賢いもの選びができる
◎ クチコミの発生源
といった条件をクリアしている人たちです。

このような人達は、10代の頃から様々な購買経験を持ち、20代で消費の主役を経験したハイレベルの消費者、すなわち「プロの消費者」なのです。コストパフォーマンスに敏感で、自分のものさしでものを購入でき、様々な購買経験を持っている彼女達の情報こそ信用できるのです。

「プロの消費者の本音」をいかに自社のマーケティングに生かせるか?といった「究極のマーケットイン」の発想が今の女性マーケット開発のポイントといえます。

早速、皆様の周りでも「プロの消費者」を探してみてください。

中村浩子

中村浩子

中村浩子なかむらひろこ

株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長

大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…

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