春の色と香り

　ひと雨ごとに春に近づく今日この頃。
今年の春のファッションテーマはもう決まりましたか？

　JAFCA（流行色情報センター）発表のこの春夏のトレンドは、Enjoy the process–My colore recipe（プロセスを楽しむ）です。様々なイメージの色を使いながら、新たな色の効果を作りだしていくプロセスを楽しみましょう、との意味だそうです。春にふさわしい色使いをお料理のように楽しむというコンセプトですね。

　レディースウエアのトップトレンドはspaceと名付けられたホワイト～オフホワイト～ライトグレー～ライトベージュのニュートラルな明るく柔らかい色、サブトレンドのcrystalineは、明るいパステルカラー。そしてうすく灰色がかったスモーキーなパステルカラーpebbleです。アクセントにはマリンカラーのブルーとレッド。
　
　メンズカラーのトップトレンドもホワイト～オフホワイト～ライトグレーや少しくすんだ淡いブルーやピンクなど。アクセントカラーははっきりとしたグリーンやブルー、ピンクです。ここ最近の傾向であるアースカラーはレディース、メンズとも引き続き使われています。ショップのラインナップを見ても優しくて穏やかなキレイ色が目立ちます。

　ところで、皆さんは「色を見ると感じる香り」があるのをご存じですか？
これは共感覚といって、五感のうちの一つが刺激されることによって、それ以外の感覚が引き起こされることです。例えばピンクをみると何となくお花の香りする気がするなど、視覚と嗅覚が結びついた感覚で、無意識に誰もが経験している感覚の共振現象なのです。

共感覚をファッションに活かすのも
一つのセルフディレクション方法として有効です。

　自分のイメージやイメージカラーを決めたら、その色で感じる香りを纏えばよりアプローチも強くなります。逆に、紫がかった濁った色や暗い灰色には悪い匂いを感じるとなどの調査結果もあるので、逆効果になる例もあります。匂いをも封じ込めそうな寒い冬ならさほど感じませんが、これから暖かくなると匂いには特に気を使いますよね。

　多くの人は、【レモンイエロー→シトラス】　【ベビーピンク→シングルフローラル】
　【ピンク→フローラルブーケ】　【ダークレッド→オリエンタル】のように感じます。
資生堂調査結果より抜粋。

このように、レモンの香りには明るい黄色やオレンジ、ピーチには黄オレンジなど…
果実や樹木などに近似した色の共感覚をともなうようです。

　この春、あなたはどんな色と香りを纏いますか？
自分にも相手にとっても気持ちの良いイメージはあなたの世界をきっと広げてくれます。色を楽しむプロセスにこの春は香りも加えてみてはいかがでしょうか。