このコラムの執筆時点で、円は84円になっています。円高で海外製品が買い易くなったと喜んでばかりもいられませんね。輸出頼みの産業には打撃ですし、株価も連動して下がりますから、日本経済へのダメージは免れません。
景気のように移ろいやすいものに対する不安は、古くから変わらないものへと私たちを向かわせます。野山や畑、伝統文化のような私たちの原点になっているものに回帰することで、心安らぐ場所を得ようとするのです。
このような心情はこの秋冬のトレンドにも大きく影響しています。代表的なトレンドカラーを紹介しましょう。
まず、自然回帰は「キャメル」の流行から感じられます。キャメルは古来から伝わる自然色です。暖かく包まれるような安心感があります。
次は「ネイビー」。紺はキリスト教では聖なる色とされてきました。伝統的宗教色に回帰を求める人も多いのかもしれません。
次に、ミリタリーファッションとともに流行しそうなのが、アースカラー「カーキ」。これも同じく自然色です。
大地や植物の色であるアースカラーはエコロジカルな色としても近年、定番の色になりました。
そして海外でトレンドカラーと予想されているのが「赤」。これは「パワー・オブ・ウーマン」と呼ばれています。世界が最後に求めるのは女性の強さであるのかもしれません。
またポジティブに赤の持つ力強いパワーを取り入れたい願望もあるのでしょう。
最後に、毎秋冬のことではありますが、「黒」。クラシカルと言う意味で今年も流行りそうです。
このように、世界が安定を求めるときには高度な染色技術のない時代から使われた色を求める心理が働くことが読み取れます。
続いてはアクセントカラー。トレンドになる色に希望や内なる思いを取り入れるエッセンスになっています。
「ダスティピンク」この色はキャメルとの相性のとても良い色。ピンクは不安を少しでも払拭したい心理の表れでもあるのかもしれません。
景気が乱高下する時期にはパステルピンクのような淡いトーンが流行する傾向もあります。
「パープル」は、過去の例を分析しても世情が不安定な時期にはよく登場する色でした。東洋では、神秘性や宗教的なものに救いを求めるときに使われる色でもあります。
最後にファッションとして、クラシカルな型やローゲージニットのようなナチュラルテイストのものも多く見られます。
深読みしてみると、ここ数年台頭しているファストファッションへの飽き、環境問題、終わらない不況からの逃避心理も相まって、より長く着られる良いもの、本物を求める心理へのシフトがあるのかもしれません。
榊原貴子さかきばらたかこ
ファッション&カラーコンサルタント
パーソナルカラ(=個人に合う色)に基づいて、メイクアップからファッションにいたるまで、個性に合わせたパーソナル・ブランディングを提案する。女子プロゴルファーの横峯さくらへのカラーコーディネーションおよ…
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