茶色は名プロデューサー？！

　赤錆びた森に香る金木犀、黄金色に実をつけた稲穂。季節の移ろいとともに自然は、多様な彩りを見せてくれます。
　今回はそんな秋の森にぴったりな、アースカラーとも呼ばれる茶色について。

　茶色のイメージは大地や樹の幹。生命の根源でもあるこの色は安定感や堅実性、穏やかさも表します。母なる大地の色といったイメージでしょうか。
　そして、色心理的にはオレンジ色を暗く落ち着かせた色。オレンジの表す活発さや陽気さを含みますが、明るさのない分もっと深い部分の心理や哲学的な意味をも示唆する色。

　ひと口に茶色と言っても、様々な色みがあります。ダークブラウンやチョコレートブラウンなどの濃い茶色はクラシカルなイメージや高級感、カーキーやキャメルなどの明るめの茶色はナチュラルな雰囲気や穏やかさを表現します。
　そんな茶色は合わせる色の魅力を高めてくれたり、ニュアンスをプラスしてくれる色。　　
　他の色を上手く引き立ててくれる頼りになる演出家でもあるのです。

　例えば、白と合わせると、きつくなり過ぎないコントラストで白の持つ清らかな印象を高めながら、どこか落ち着きのある洒落た印象を与えます。
　赤と合わせれば、赤の激しさを上手く和らげ優しいイメージをプラスします。
　青だと寒々しさを感じてしまいそうな時には、知的且つ華やぎのある印象に変えてくれるでしょう。
　アイボリーやベージュ、キャメルなど同系色での組み合わせでも、気取り過ぎない高級感とエレガントな雰囲気を作ってくれるのです。
　今季トレンドカラーのダスティピンクやパープルと合わせても、きっとワンランクアップしたコーディネイトが楽しめるはずですよ。

　もしも・・茶系を着るとくすみを感じる時には、アズキ色に近い茶色や少しピンクを感じる茶系を探して試してみましょう。
　あなたの新しい名プロデューサーが見つかるかもしれません。