全米オープンテニスでの大坂なおみ選手の素晴らしい活躍!
私も大ファンになってしまいました。とにかく、あの優勝戦で教えられたことがなんと多かったことか。夢を叶えられる人には、何が備わっているのか、を目の前で見せてもらった気がしています。
私は大きく2つのポイントがあったと思っています。
(1)外発的動機付け(外部からの評価や報酬)のためではなく、ひたむきに内発的動機(内側からの意欲)で、テニスと向き合っている。本当にこの人は、ただ純粋にテニスが好きでプレーしているのだと伝わってくるところ。
仕事でも趣味でも何でもそうですが、私たちは、初めは好きだから、やりたいからやっていたはずなのに、いつの間にかもっと評価されたいとか、人より目立った活躍がしたいとか、外的な刺激に振りまわされてしまって、本来の目的を見失ってしまうことが多々あります。
しかし大坂選手の試合では一貫して、「自分の大好なセリーナ選手と大きな舞台で対戦できて嬉しい。1ゲーム1ゲーム、良いプレーがしたい」と話し、テニスを愛する姿勢を貫いていました。
だからこそ、対戦相手のセリーナ選手が常軌を逸した振る舞いをした時も、観客からのブーイングが激しく、異様ともいえる雰囲気の中でも、大坂選手は全く振り回されることなく、自分のプレーに集中できたのだと思います。
そしてもう一つ、とても心に残ったのは、
(2)テニスができる環境や、支えてくれている周囲の人に、感謝の心を持っている。それをいつも誠実に態度に示して言語化もしているところ。
試合後のインタビューでは、いつも様々なスタッフへの感謝を口にしています。そしてなんといっても今回の優勝戦では、大坂さんには全く非はないにも関わらず、対戦相手であるセリーナ選手のトラブルのために、表彰式でもブーイングが起きるという事態に発展してしまいました。
全米オープン優勝というこんな快挙を成し遂げて、一番祝福されるべき場面で何故、と私は見ていて辛くなりましたが、そんな時も大坂選手は周りへの感謝を口にしていました。そして、その言葉をきっかけにブーイングが歓声に変わったのは皆さんもご存知の通りです。
この場面は、とても大切なことを教えてくれた気がしています。
なぜならば、あの場面で大坂選手が、ブーイングに対して怒ったり、セリーナ選手を非難したとしても、誰も彼女を責めることはできなかったでしょう。でも大坂選手はそうすることなく、それどころか、彼女らしい素直で真っ直ぐな言葉で、感謝やリスペクトの気持ちを伝えました。そして、周囲はかえって反省をした…もっと大きな何かを伝えたんだと思います。
その後もこの試合でのトラブルのことや、セリーナ選手の対応について、大坂選手は何度も質問されています。でもセリーナ選手には一貫して尊敬の念を示し、試合のこともトラブルも含めてポジティブにコメントし、前を向いています。
そんな大坂選手の行動は、自分の目標に向かってひたすら真摯に努力し、突き進んできた人にしかできない立ち居振る舞いであり、夢を引き寄せていく人の習慣だと、気付かされます。
自分が心から打ち込める大好きなものを持つこと。
そしてそれを続けられる環境やそれを通じて出会った相手、サポートしてくれる人々に感謝の気持ちを持ち続けること。この二つが決してブレないことが、大坂選手の教えてくれた強さの秘訣だと、私は思います。
渡邊洋子わたなべようこ
公認心理師
大学卒業後、株式会社博報堂に入社し、ラジオ局、新聞局で勤務。ラジオ局ではFM局の番組のスポンサー業務を、新聞局では読売新聞担当として新聞広告業務に携わる。その後出産のため退職し、専業主婦を経験。200…
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