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2006年08月01日

セルフプロデュースⅠ 目標達成までの自分の高め方

「目標や夢を持つことはいいことだ」と、私は幼い頃から周りにいて下さった大人の方々に教えて頂いてきました。例えば家で、学校で、習い事の場面で。きっと皆さんも物心がついたときから、私と同じように人が目標を持つという行動がよいことであるのを知っていらっしゃったと思います。

それではなぜ、それが社会通念として良いこととされるのでしょうか?

競技スポーツに深く関わっていた私にとって、目標を持ってそれを達成することは必要不可欠なことでした。 でも「目標を持たなければ」と無理に意識してそうした訳ではありません。特にスポーツは結果がわかりやすいので、目標達成のために自分が頑張った分それが形として現れることに気づき始め、形として現れれば、それが手応えや自信に変わり、気持ちが充実し、楽しくて面白くてその感覚をもっと得たいと思うようになっていったからなのです。

そうすると自然に目標が高く設定されていきました。乗り越えなければならないハードルが高ければ高いほど乗り越えた後の達成感もそれに比例して大きくなり、「次は、次は。」と前へ進んでいくことができたのです。

今、選手時代のことを思うと、自分は本当に恵まれた環境に身を置いていたことに気づかされます。目標は探す必要がないぐらいいつも目の前にありました。そして何よりもよかったのが、目標を達成した後の何ものに変えがたい喜びの感情を知ってしまったこと。

小学生の頃から始めたシンクロという競技を通じて、その考えがごく普通に自分の中に浸透していき、目標を設定してそれに向かうことが日常だったからこそ、今も引き続き「何があっても頑張っていこう」と、不安を抱えていたとしても前向きに頑張れているのだと思います。

目標達成に向けての、私のモチベーションはいたってシンプルです。先にも述べたように、「達成した後の喜びを味わいたい」これに尽きます。しかし、この喜びを味わえるまでにはたくさんのやるべきことがあります。何の行動も考えも取らないで達成感は味わえません。

現在の私は様々な活動をさせて頂いていますが、選手時代に培った自分なりの目標達成までのプロセスが今の私を支えてくれています。目標達成までのセルフプロデュースというのでしょうか。少しご紹介しようと思います。

1.目標は明確であればあるほど実現しやすいという持論のもと、初期段階でクリアになるものはしておく。

2.最終的に達成したい目標の方向に進むための第一歩として、明日からでも今からでもすぐに達成できそうな短期的な目標を決める。

3.短期的な目標を確実に達成していき、その小さいながらも感じられる達成感という喜びを糧にすると、さらに最終目標達成に向けてのモチベーションが上がる。

4.客観的な目で自分をみつめ、毎日の短期的な目標が最終目標の方向性に即しているか?または、最終目標まで何パーセントの割合で達成できているかを検証する。

5.足踏みしていると感じても、必ず昨日とは違う自分が在ると信じて考えや行動はやめない。どんな小さな変化にも気づけるように精神を穏やかにかつ研ぎ澄ませておく。

まだまだ、自分自身が発展途上中で日々格闘の日が続いていますが、目標を達成しようというこの気持ちそのものを私は人として大切にしたいと思っています。

何かに向かって頑張っているひとは輝いています。オーラがあります。人を惹きつけます。未完成でも私はそんな人で在りたい。

以前と違って、目標を達成する時期がいつかはわかりません。初期の段階でクリアに仕切れていないものも、見えていないものももちろんあります。でも「必ず達成するんだ。そして喜びを味わうんだ!」というシンプルだけど代え難い人生のきらめきを今後も追い続けていきたいと思っています。

武田美保

武田美保

武田美保たけだみほ

アテネ五輪 シンクロナイズドスイミング 銀メダリスト

アテネ五輪で、立花美哉さんとのデュエットで銀メダルを獲得。また、2001年の世界選手権では金メダルを獲得し、世界の頂点に。オリンピック三大会連続出場し、5つのメダルを獲得。夏季五輪において日本女子歴代…

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