また新年度の4月がやってきましたね。「さぁっ!」という感じで私もスタートダッシュしようかと思っていた矢先、なんと胃腸風邪・・・です。正式にはウィルス性胃腸炎。子供にうつると重症化するということもあって、げっそりしながら3歳間近の運動量の多い息子の動きに対応しつつ、かつ最小限の接触を心掛け、夫にも同様にうつしてはいけないということで家中除菌しまくり。おかげ様で顔のラインがすっかりシャープになりました。息子に関してはかなり実家の母に育児サポートしてもらい、なんとかうつさずに鎮静できたと思います。もうそれが何よりで(しみじみ)。
個人的な話はさておき、今回は新年度ということもあって皆さんに「自分はどっちなんだ!?」とちょっとお考え頂き、自分に本当に合った設定で新しいスタートを切って頂けたら、というそんな思いで進めたいと思います。これ、ウケウリかもしれません。というのも、なんとなく点いていたテレビから某番組が流れていて『好きだけど下手(才能がないと思う)』と『好きじゃないけど上手いと人からは言われる(向いているけど嫌い)』という2つがあって、どちらの仕事についたらいいのか・・・をMCに相談をしている内容だったのですが、妙に私「確かに・・・」と思ってしまった訳です。そりゃ、好きで、やっていて楽しくて、上手い、が揃っているのが一番です。だけど実際には、条件を揃えて仕事に就けているのか?と言えばそうではない場合の方が多数なのかもしれません。何よりも、成功者に見える人でも最初から「好きで上手くて」が揃えられている人はいるのでしょうか?これを考えると、本人が最初どちらを選ぶかで覚悟の決め方が違ってきます。下手だけど好きだから続けていける、少しでも上手くなろうと努力できる。そして努力が報われるまで、下手がいつか上手く変わるまで諦めないという覚悟。もう一つは、本当にやりたいことじゃないけど、嫌々取り組んでいるけど、自分はきっちり仕上げていけるんだという誇りを持ち、その仕事ぶりを見て周りやチームから信頼を得、いずれ遣り甲斐になっていく。気付かなかった喜びを知る。嫌いを前向きな感情に向かわせるまで仕事で成果を上げる覚悟。これが必要ではないかと思います。
スポーツ選手もしかりです。好きで選んだ競技でも、その競技に素質的には向いていない体型だったり、筋肉の質だったり、そんなことはたくさんある話です。だけどその中でも伸びていく人は、その競技に向いていない部分ばかりを嘆くより、ものすごく掘り下げて自分というものを図り、人にはない自分だけの才能や見せ方を見つける努力や取組ができた人だと思います。最終的に他者からは、きっと「あの人はもとから才能があった」と言われたりするのでしょうが、恐らく私は違うと思います。反対に、その競技に際立って向いている素質の持ち主なのに、あっさり辞めていく人、いっぱいいます。私の業界(シンクロ)でもいました。要は、どれだけ覚悟ができるかなのだと思います。
話が飛ぶようですが、そういえば、これと似た主旨の話を思い出しました。『自分が向いていると思っているもの』と『人から自分を見てもらって向いているもの』と違う場合がある、という話です。以前に私と夫で何気なく会話をしていました。映画の内容についてです。もう何年も前、マイケル・ジャクソンの『this is it』が公開されました。私はどうしてもこれが観たくて、乗り気でない夫を引っ張って映画を観に行きました。上映後、ごく自然な成り行きで観終わった感想をお互い話し始めたのですが、「あれっ?」と思ったのです。何に「あれっ?」だったかというと、夫が最も関心を持ったのが、マイケル・ジャクソンのステージの(確か)プロデューサーだったのです。「ああやってマイケルというカリスマを立てつつも、全てを調整してまとめていくのがすごい。」というようなことだったと思います。でも私は、どちらかと言えば夫はマイケル・ジャクソン側のタイプではなかっただろうか・・・と思った訳です。(マイケルファンの方、一緒にするな!とお怒りにならないで(笑))なんとなく、夫は皆をやる気にさせ巻き込んいくのが持ち味じゃなかったっけ?と。だって、結婚前にどれだけ夫の同期の方や同級生に「巻き込まれてすごい楽かったから、そのキャラ壊さんといたってな」と言われたことか。思い出すとちょっと腹が立ってきました(笑)。でも、人生色々あって夫は当時かなり自分探しをしていましたので、知らず知らずのうちに志向が変わっていたのかもしれません。私は夫に先ほど感じたことを話しました。この時はそれだけ。
何年か後に、たまたま夫婦揃って呼んで頂いた食事の席で、その時の会話が夫の中で残っていて「思い出させてくれたから自分の選択肢が変わったんだ」というようなことを夫が話したのです。私も「こんなこと思ってたのか!」と初めて聞いてびっくりしましたが、なんとなく嬉しかったです。夫婦として、いい意味で相手の人生に関われて。
自分で気づかない、自分の持ち味。そして前述した、好きだけど下手を選ぶか、向いていると言われるけどやりたくないことを選ぶか。何がきっかけで気づいたり、思い出したり、覚悟が決まったりするのかわかりませんが、新年度をスタートされる皆さんも、スタートされる前に少しだけ、こんなことを考えてみられてはいかがでしょうか?
武田美保たけだみほ
アテネ五輪 シンクロナイズドスイミング 銀メダリスト
アテネ五輪で、立花美哉さんとのデュエットで銀メダルを獲得。また、2001年の世界選手権では金メダルを獲得し、世界の頂点に。オリンピック三大会連続出場し、5つのメダルを獲得。夏季五輪において日本女子歴代…
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