ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表が、5月12、13日にトレーニングキャンプを行ないます。
Jリーグは4月下旬からゴールデンウィークを挟み、中2日や3日のスケジュールで5連戦を消化してきました。このため、週明けの12、13日はオフにするクラブもあります。各クラブの監督からすれば、「選手が疲れているこの時期に、わざわざキャンプをやらなくてもいいのに」とボヤきたくもなるでしょう。
トレーニングのメニューが軽めでも、「代表監督の目の前で自分をアピールしたい」と考えるのが選手心理です。各クラブの監督は、「ケガをしないで帰ってきてくれよ」と願っているに違いありません。
トレーニングは合計でわずかに3回です。しかも今回は、海外でプレーする選手は招集されていません。時間は短い。
そのなかで、ハリルホジッチ監督は何をしようとしているのか。
大きな目的は「メッセージの発信」と考えられます。
J1、J2から28人の選手を招集することで、「私はキミたちのプレーをしっかりと見ているぞ」というメッセージを伝えるのです。同時に、チームのコンセプトやポジションごとに要求するプレーなどを、ピッチの内外で伝える機会とするはずです。
発表された28名のメンバーでは、大久保嘉人の選出が話題を集めています。川崎フロンターレに在籍する彼は、1982年6月9日生まれの32歳です。18年のロシアW杯は、36歳で迎えることになります。
36歳と言えば、サッカーではかなりのベテランとなります。ただ、昨年のブラジルW杯では、当時35歳のアンドレア・ピルロ(イタリア)やスティーブン・ジェラード(イングランド)らが、チームの中心としてプレーしていました。すでに代表チームからの引退を発表したディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)も、35歳でブラジルW杯のピッチに立っています。ピルロとジェラードはW杯後も現役を続けており、5月19日に36歳となるフォルランは、J2リーグのセレッソ大阪でリーグトップの得点を叩き出しています。
スポーツ医学の発達により、かつてよりもサッカー選手の寿命は長くなっています。所属クラブで好調を維持する大久保が代表に呼ばれることは、決して驚きではないと言えます。
個人的に注目しているのは、1994年生まれのふたりのセンターバックです。岩波拓也(ヴィッセル神戸)と植田直道(鹿島アントラーズ)です。
ディフェンスラインの中央でプレーするセンターバックには、身体の強さと高さが求められます。岩波と植田はともに186センチで、空中戦の競り合いにも、1対1の局面にも強い。
ゴール前では一瞬のボールの奪い合いであったり、相手より一歩前へ身体をねじ込んでクリアしたりするプレーが求められます。彼らはリオデジャネイロ五輪出場を目ざすU-22(22歳以下)日本代表の一員でもありますが、世界で通用する球際の強さを身に付けられる素材です。ハリルホジッチ監督は自ら指導をすることで、彼らを鍛えたいのでしょう。
ハビエル・アギーレ前監督の解任により、ハリルホジッチ監督は3月に就任しました。そして、6月にはロシアW杯アジア予選が開幕します。十分な準備ができていないだけに、ハリルホジッチ監督は批判の声が上がることも承知でキャンプの実施をサッカー協会に打診したのでしょう。
代表チームを強くするために、1日でも多く強化期間を確保する。1泊2日のトレーニングキャンプは、ハリルホジッチ監督の意欲と情熱を映し出すものなのです。かつて代表チームのスタッフを務めたひとりとして、私は彼の姿勢を評価しています。
山本昌邦やまもとまさくに
NHKサッカー解説者
1995年のワールドユース日本代表コーチ就任以降10数年に渡って、日本代表の各世代の監督およびコーチを歴任し、名実ともに日本のサッカー界を牽引してきた山本氏。山本氏の指導のもと、成長をとげた選手達は軒…
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