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【研修トレンド通信102】
営業は何よりも<共感>がキーワード

 最近弊社にいただく研修に関するお問い合わせには、二極化現象が見られます。

 ひとつは、部長や支店長、役員クラス対象に「人間力」を向上させるための研修。もうひとつは主にスキルを重視した「接遇」や「提案力」といった目の前のお客様に対して、どうサービスを行うか、いかに自分から買ってもらうかという内容の研修です。

 特にスキル重視の研修は、意外なことと思うかもしれませんが、課長クラスを対象とする研修でも増えています。これは学び直しというよりも今までは力業でやってきた部分が、景気の状況により消費者の目が厳しくなったことで対応できなくなり、さらには値引きでも企業を存続させるには厳しい状況に置かれていることが理由のようです。
このスキルに関する研修で特徴的なのは、対象の方々に関しての現状の課題をお伺いするとみなさん共通に答えとしてかえってくるのは「お客様に共感することができない」ということです。

 よく言われていることですが、商品を購入するにはお客様との信頼関係を築くことが大切になってきます。しかし、お客様に共感することができなければ、自分と感性が違う人から物を買おうとか、物を頼もうという行動には、なかなか結びつかないのではないでしょうか。他にぴったりだと思える営業さんに出会えなければ、価格が安い商品に決めることもあるでしょう。しかし、その場合、なんとなく後悔にも似た感情がよぎったりしないでしょうか。消費者の気持ちとは、まさにそういうことで、「自分のことをわかってくれる!」と、お客様に感じていただくことが、スムーズな商談にするための大切なステップなのです。

 ここ数年、多くの企業では成果主義が導入されてきました。そのせいか、とにかく営業目標の達成を重要視するばかりに、本当にお客様のことを思った営業ができなくなってしまっているのだと感じます。お客様の心情や状況を加味せず、「なんとか弊社で決めていただきたい」という営業トークを重ねるような営業社員では、お客様はつながっていきません。<共感営業>の本当の意味は、お客様がお客様をご紹介し、繋がっていくことにあるのです。

 もちろんスキルも重要です。しかし、何のためにスキルを身に付けるのかということを置き去りにしたままでは、その企業が伸びていくことは難しいでしょう。

(2010年6月22日 / 発信:「講演依頼.com」 研修チーム)

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