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【研修トレンド通信119】
節電で浮き彫りになったタイムマネジメントの必要性

 先日、ある企業様よりタイムマネジメントの研修のご依頼をいただきました。今までは人件費削減という考え方が薄く、どうしても残業しがちだったとのこと。しかし3月に起こった東日本大震災により、企業では大幅な節電をせざるを得なくなりました。その時、タイムマネジメントの重要性を身を持って実感したそうです。

 実感したのはよいのですが、関心を持ったりやってきたわけではないので、「さあタイムマネジメントをしよう!」といってもなかなかうまくいきません。そこで、今回全社員対象にタイムマネジメントに関する研修をご依頼いただいたというわけです。

 また節電で残業が減ったことで、個人的にも定時後の時間をどう過ごすかということを普段よりも真剣に考えた方も多かったようです。改めてワークライフバランスなど働き方を考え直した、ということも伺いました。

 実は、こうした節電の影響でタイムマネジメント実践の緊急性に直面した企業様は意外に多く、普段はシフトで動くのでタイムマネジメントを自分で管理しなくてもよいような職種の方まで、広く影響が及びました。当たり前ですが仕事が減るわけではありません。海外との取引を主にしていらっしゃるような部署では、海外の方に節電を言い訳にしているわけにもいきません。そうした際に、自分の仕事の仕方を振り返ると、社員個人としてだけではなく<組織としてのタイムマネジメント>が必要であることが身を持って実感できたといいます。

この<組織としてのタイムマネジメント>が機能しているかどうかが、これからの日本社会ではとても重要なポイントとなると思います。

 冒頭の企業様は震災をきっかけとしてこうした課題が浮き彫りになりましたが、自然災害だけに非ず、大きな危機には組織としての対応が必要です。それも迅速に!そのときに組織としてタイムマネジメントが機能していないと、緊急対応をスピーディーに行うことができません。テレビや雑誌でも企業の危機管理の重要性は大きく取り上げられており、セミナーなども多く開催されています。同じように、企業の社員全員が同じ意識を共有し、いざという時にきちんと動けるような体制を整えるという意味では、タイムマネジメントも同じです。

 タイムマネジメントが注目を集めるようになってから、仕事を管理するという意味だけのタイムマネジメントから、ワークライフバランスを推進するためのタイムマネジメントへ変わってきました。そして今また、危機管理のためのタイムマネジメントへと活用の範囲は人がっているのだと感じます。

(2011年10月27日 / 発信:「講演依頼.com」 研修チーム)

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水口和彦(時間管理コンサルタント)

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