講演会実績レポート
   
 
 
 
大野尚
  講師名 大野 尚
(ビッグ・フィールド・マネージメント株式会社 代表取締役)
  主催 :ファインドスターグループ
  聴講対象者 :企業管理職層の方々 約80名
   

   ※今回は特別に担当営業のレポートではなく、講演の様子をそのまま、講師の言葉でお届けします。
   
  講演テーマ
 

「3,000万円から100数十億円へ
~年商を500倍に進化発展させたマネジメントのキセキ~」

   
  講演内容 

― すべての始まり、赤字300万円からのスタート
偶然の出会いがきっかけで当時は無名だった旅行会社エイチ・アイ・エス の創業に参画した私は、九州・中国地方を自ら切り開き、年間3000万円に満たなかった九州中国内の売上を17年間で百数十億円まで伸ばすことに成功しました。ただそこに至るまでには当然一筋縄ではいきませんでした、失敗や後悔もあります。今日は私の経験が少しでも皆様のこれからの組織経営、マネジメントのヒントになれば嬉しく思います。

始まりは25歳の時でした。当時私はレコード会社のプロモーターとして働いていました。取材の中でたまたま知り合ったのが株式会社インターナショナルツアーズ(HISの前身)社長の澤田秀雄さんでした。「この会社は世界一の会社になるよ」澤田さんのキラキラした目に心奪われ一緒にチャレンジをしたいと思った、それがすべての始まりです。
入社から1年が過ぎ、私は福岡で所長を任されることになりました。「君にすべての権限を与える、その代りすべての責任は君にある。人を雇うのも、店舗増やすのも君の権限だよ。」そう澤田さんに託されたのです。
しかし実はその段階で既に支店は300万円の赤字の状態でした。旅行は好きで詳しいが会社の経営は全くの素人、後ろを見たら赤字。そんな状況にとにかく前に進むしかないそう思いました。

― 同業他社のサービスを体験することで見出した勝機
満足なお金も、人手も、物もない、マンションの一室の支店。頼れるものがないその状況で、じゃあこれからどうするか。
私たちはまず、前向きにこれから福岡一、九州一になるためにはどうしたらいいか未来について話し合い、自分たちの強みをどれだけ引き出せるかを考えたのです。私を含む当時の従業員3人は徹底的に福岡市内の同業他社である旅行会社を歩いて回りマーケティングを行いました。そうした活動の中でふと他社の対応に共通点を見出すことができたのです。それは他の旅行会社にお客さんとして行き、何か質問すると必ずどこかで「ちょっとお待ちください」という言葉が返ってくるということです。なぜ自分たちの商品について当たり前のように答えられないのだろうか、それが不思議でありませんでした。ガイドブックやPCも満足にない時代、自分たちの足で歩いた情報、バックパッカーとして世界中を旅していた経験値ことが私たちの最大の武器であり勝機ではないか。お客さんに「ちょっとお待ちください」と言わずに済む、ここを徹底的に高めようと思ったのです。

私たちは自分たちが扱う商品に関する知識を徹底的に蓄えブラッシュアップをしていきました。時には大手旅行会社のチラシを読んで勉強し、自身の経験とそれらの知識のインプット・アウトプットを繰り返し行いました。そしてそれと同時に「地球を歩こう○○の旅」という説明会を始めました。そこで気を付けたこと、それはあえてそこでモノを売らなかったのです。私たちの旅の体験を基にいかに旅行が楽しいかということを伝える活動を1年間続けていきました。その地道な活動により2、3人だったお客さんが20~30人、100人~200人になっていき、気づけばこの活動がメディアでも取り上げられるようになり自然と多くのチケットが売れていったのです。

そしてもう一つそれらの活動の中で意識したこと、それはM(まねて)M(まねて)Y(良くする)の考え方です。自分たちよりもちょっとうまい活動をしている会社のまねをし、そこにさらに少し良いところをプラスしてあげる。こうした活動により私は事業の拡大をしていくことに成功したのです。

― 事業拡大によって生じた歪、組織にとって人材が如何に大切であるか
事業の拡大成長を続ける中で組織が大きくなればなるほど、社員のマネジメントやリスク管理、コンプライアンスなど多く問題が生じていきました。最初はとにかく前向きに動いて、壁にぶつかりながら答えを導いてきた、それでよかったことがそうではなくなっていきました。社員数も増えるとその分だけ社員の価値観も様々になりました。当然会社を大きくすることがモチベーションではない社員も出てきました。そしてその結果、物凄く優秀なスタッフがたくさん辞めていくことになるのです。

「だって大野さん、彼ら(部下)の話を最後まで聞かずに直ぐ答えを出すでしょ。」 ある時言われたそんな言葉が今でも心に残っています。
皆さんも管理職になると部下の話は5分の1、10分の1程度聞くだけでその問いの答えがわかってしまうのではないかと思います。ただここで大事なことは、彼らはすぐに答えがほしいのではなく、彼らは話を聞いてほしいのです。一番大事なコミュニケーションである傾聴力、アクティブリスニングの姿勢が私は間違っていたのです。すぐに答えを出すことでせっかく気持ちは同じであるのに、「大野さんは話を聞いてくれない」と思われた。仕事の中で生まれるマイナスな気持ちを部下に吐き出させること、マネジメントをする立場として彼らの困っていることを受け止める度量がないのではなく、そのこと自体を考えていなかったのです。皆さんも部下から相談をされたとき、まずは話を聞き、それに対する思いを聞き出してあげて下さい。そして部下の出した答えが少し足りなかったらプラスのアドバイスをする、足してあげるのです。

マネジメントとは一方的に伝えるのではなく、まずは訊いて認めてあげることから始まります。どんな人でもどんな形であれ必ず組織に貢献できるようにマネジメントをするのが管理職者の役目であると思います。人は会社にとって一番の財産であり資産です。人材のパフォーマンスをいかに上げられるか、それが会社の生産性にも大きく影響するのです。吐き出すという「吐」という字からマイナスを取り除いてあげると「叶(う)」という字に変化する、そのことを覚えていて下さい

― マネジメントのコツ、組織が劇的に変化する為には
またマネジメントのコツとして伝えたいこと、それはすべてをきちんと数値化することの大切さです。ある時、悲しいことがありました。それは今まで信じていた支店長たちの8割が集まりユニオンを作ったことでした。支店長たちにはそれなりのボーナスや給料を支払ってきたつもりでいました。ただそこに何の明確な基準も私は設けていなかったのです。彼らにはその場限りの賞与ではなく、明確な評価制度を求めていました。評価設計がないとどうなったら自分が認められるかがわからない。そこをしっかり明確化し、評価マップを作ってあげる。「足りないところはここだよ」と見せてあげることで安心させてあげる。それが全てのことを数値化、「見える化」する意味です。

そして、マネジメントをする立場として組織内で重石になってしまっているのは誰かを考えることもとても大切なことです。実は私自身も同様に、気づけば会社の重石になっていたのです。長く会社にいる中で人材の採用はもちろん、シャーペン一本の購入でさえ私が決済をする状況を続けていました。それを見ていた、自分の右腕でありNo2と思っていた人間がプレッシャーに負け会社を辞めてしまいました。私は次の人間を育てることに失敗したのです。
長く同じ環境で働いている人はいつか重石になってしまう要素を持っています。どうしても新しい意見に否定的になってしまいがちなのです。ただそこですることは決して長く貢献してもらっている人たちを辞めさせるのではなく、よりその経験値を活かせる場所に少し配置の転換し、新しいチームには新しい人材(異物)を組み込んであげるのです。それだけで組織は劇的に変化します。

― 結びに・・・ ビジネスチャンスとは
澤田さんは長年赤字続きであった、ハウステンボスの黒字化にも成功をしていますが、これもすべては隙間を見つけるところからきています。冬に園内に花が咲かせたいのであればイルミネーションの花を、世界一の迷路というアトラクションを作る予算がないのであれば段ボールで作ればいい。夕飯を食べたら帰ってしまうお客さんたちに対し、園の営業時間を少し伸ばしお酒やお土産を買ってもらえばいい。無料ゾーンを作って子供たちが自由に遊べる場所を作ってみよう。物、予算、時間、場所様々な角度から物事の隙間を考えてみるのです。大手企業との隙間は何か、売れている商品との間には必ず隙間があります。私が福岡で所長を任せられた当初行っていた「ちょっとお待ちください」を無くす取組みも、旅行の楽しさだけを伝える説明会もビジネスのそうした「隙間」だったのです。否定的な意見ばかりするのではなく面白い意見を発信していくことがそうした隙間を埋めていくのです。

私はビジネスチャンスとは「隙間」を見つけていくことにあり、それが面白さでもあると思っています。

意識は行動をつくり、行動は習慣をつくる。習慣は体質をつくり、体質は運命をつくります。ここで言う意識とは「志し」、つくるとは「創造」することです。どんな仕事であっても、そこに集まる人たちは、必ず何かをしたいという気持ちで皆入社してきます。管理職者としてそれを高めてあげること、学んで知識をつけることを徹底的に続けてください。人材の創出と活性が企業成長には不可欠なのです。

▼大野尚氏への講演依頼はこちらの詳細プロフィールからお願いします


   

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