働き方改革をしていくうえで、一番初めにすべきこと。それは現場にいきなり残業禁止をさせることでも、有休を消化させることでもありません。まずすべきは、上司の頭の中の考え方を変えることです。
たとえば、効率について。いまの管理職世代の人たちは「最適解は自分で経験し、自らみつけるものだ」と思っている人が多い。昭和世代の私も、個人的にはその意見に賛成です。しかし、いま世の中はものすごいスピードで変化しており、昔の価値体系にしがみついていては、時代に取り残されてしまいます。
水泳競技で、ロンドンオリンピックの銀・銅メダリストでもある松田丈志さんのコラムで、こんなことが書いてありました(ご本人のサイトから内容の要約)
オリンピックなどの世界が一同に会して行うスポーツでは、同じひとつの競技に対しそれぞれの取り組み方が違うので、自分の国の位置がとても見えやすいものです。
私はこれを読み、きっと日本の水泳界はまだまだそこまで進んでいないのでは、と感じました。ビジネスの世界も同じように思います。
いまの管理職の人たちは、自分が苦労して身につけたノウハウを若手にすぐに教えるのは、
本人のためにならない、そして何より「そんなことをしたら自分の存在価値がなくなってしまう」という保身の思いがあるはずです。
しかし、ビジネスの世界もものすごいスピードで変化しています。いまの管理職がすべきことは、まずは自分が知っている限りのベストプラクティスを伝え、その上で、もっと効率的な方法を若手と一緒に考えることです。これをしないと、自分の仕事どころか、会社ごとライバルに取り残され、なくなってしまいかねないのですから。出し惜しみしている場合ではありませんね。
「上司の持つ経験+若手の持つアイデア」、これがいまの時代を乗り切る最良の選択だと思います。
次回は、「どうやって効率化すればいいの?その手順、考え方」について考えてみます。どうぞお楽しみに。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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