さて、今回からは職種別に働き方改革を考えてみましょう。まずは営業編からです。
営業の働き方改革、というと、ITを使って「テレワークで、会議もテレビシステムやグループウエアを使って」という話になったり、また時短で残業をなくし、その中でなんとかしよう、といったことになりがちですが、ここでは、仕事のやり方や仕組み、考え方などを改革することによって効率を上げることを目指したいと思います。
- 【働き方改革~営業編】
- 1.いかに自分がやらないか
- 2.個に依存 → 全体で共有へ
- 3.仕事の段取り
- 4.コンタクトの質を改革する
いかに自分がやらないか
営業の人は、何でも自分で抱えてしまいがちです。この改革を機に、もっとまわりのリソースをうまく活用することを考えてみましょう。たとえば、アポの変更の電話を入れたり、書類をプリントアウトしたり、パンフレットを用意したりなど、営業マンのスキルを必要としない業務については、思いきってサポートの人の力を借りてみてはどうでしょうか。その際にベースとなってくるのは、仕事を頼む相手との「人間関係」。ふだんからコミュニケーションをとり、物事を頼みやすい関係を作っておくことが、結果的にはあなたの仕事量を減らすことにもつながるのです。
個に依存 → 全体で共有へ
営業職は、基本ワンマンプレーで、その人個人に依存しているところがあります。お客さんと1対1の付き合いで信頼を作った上での商売ですから、それは否定しませんが、やもするとその営業マンだけが情報を握ってしまって、辞めてしまったらそのお得意さんもいなくなる、というケースも珍しくありません。
もはや個で戦うよりチームで戦わなくてはライバルに勝てません。自分の成績だけを考えるのではなく、チーム全体で大きなプラスを取りにいくような発想転換が必要です。望ましいのは、営業部全体でそのお客さんのニーズ、現状の状況などを共有することです。そうすれば、ほかの営業マンからよいアイデアが上がるかもしれませんし、会社も広く対応できるようになります。助け、助け合う、そういう意識が必要になってきます。
仕事の段取り
ここは一番改革のできる部分、なぜならばほぼ他人を介さずに自分で完結できるからです。ほとんどの方はやっているかもしれませんが、仕事は、できるだけ都度対応せずに、種類ごとに固めましょう。一週間のうち、アポ取りの日、企画書を書く日、外回りをする日と分ける、また一日の中でも、電話をする時間、メール対応の時間、考える時間、という風に、作業の種類別に仕事をまとめてこなすと、中断がなく効率があがります。また今日やるべき仕事をリストアップし、そこに優先順位をつけてこなしていく、などの工夫も効果があります。
コンタクトの質を改革する
ただなんとなく御用伺いにお得意様を訪問するのではなく、前回のミーティングで出ていたちょっとした懸念事項、現在相手の置かれている状況などから、こんなニーズがあるのでは?またはこんな情報を必要としているのでは?と仮説を立て、それに基づいた資料なり情報を用意していくことです。また相手によって望ましいコンタクト手段(電話、手紙、メール、ファックスなど)を吟味し、それを使って事前に資料を送っておけば、話が早いかもしれません。また相手によって、話を聞いてほしい人、こちらから提案してほしい人、背中を押してほしい人、など特性は様々なので、そこを見極めて接触を計れば、いままでよりもスピーディな商談につながります。
営業の仕事は、考える仕事と動く仕事の2つの側面があり、どちらも自分が主体で、自分でほぼ完結できる仕事です。その分改革はしやすく、また効果も大きいはずです。ぜひこれをきっかけに、営業職の皆さんは、自分の仕事の質を高めてください。
次回は、職種別働き方改革~「事務職編」をお送りします。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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