前回では、社内ニーズを調査し導入プランを策定するまでをご紹介いたしました。今回は、策定した導入プランを進めていく際の応援者を募るポイントをお伝えします。応援者と一言でいっても社内外に多くの関係者がいます。今回は、ワーク・ライフバランスが経営戦略のひとつであることにポイントをおいて、経営層にいかに応援団になっていただくか、そのための秘訣をお伝えいたします。
経営層が「ワーク・ライフバランスをやろう!」と決意すれば、社内でプロジェクトを進めるにあたり大変強力な支援者となってくれます。ですから、ワーク・ライフバランス施策の導入プランがまとまったら、それを「事業計画書」の形にし、真っ先に経営層に提出・プレゼンテーションを行いましょう。
経営層には、単に導入プランを承認してもらうだけでなく、さらにワーク・ライフバランスに関するプロジェクトの応援団になってもらえるよう、積極的に働きかけることが大変重要です。例えば、プレゼンテーションの後も、経営層に時間を割いてもらい、メンバーの思いや考えをぶつけ、経営層の見解を聞く機会を作りましょう。その際には、公式な事業計画書だけでは表現できない「なぜ、自分たちはこのプロジェクトをやっているのか」というモチベーションが伝えることが大切です。経営層の個人的な見解も聞くことができ、考えを深めるいい機会になるでしょう。その際には是非若手社員もその場に同席させましょう。若手社員にとって、経営層と話せる機会は貴重で、この活動へのモチベーションが一気に高まることも多くあります。経営層にとっても若手の考え方は新鮮で、著者がコーディネートした会合でも、経営層から「新たな発見があった」という感想を聞くことが多くあります。
その他にも、人事部の交流会、官公庁が主催するワークショップなど、ワーク・ライフバランスをテーマとした講演会で、自社の経営層に「わが社のワーク・ライフバランスへの取り組みについて」というテーマで話をしてもらうような仕掛けを用意することも有効です。その際には、すぐ使えるタイムリーな話題や今後の会社の方向性をまとめておき、経営者が素晴らしい講演ができるようサポートしましょう。経営層は、自身が外に向かって講演するためには、準備段階でワーク・ライフバランスの基礎知識や社内状況について勉強しなくてはならず、講演後も取り組みがきちんと進んでいくことへの責任を担うことにもなります。対外的アナウンス効果に加えて、社内の人間にとっても経営層がワーク・ライフバランスに対して主体的に動き出した、という変化を感じるきっかけともなりますので、しっかりと準備をしておきましょう。
経営層だけでなく、管理職層やメンバー層を巻き込んでいくことも、同様に具体的な実施内容と進めていくための思いを伝えていくことが大切になります。次回はいよいよ、導入プランの実行ステップについてご紹介してまいります。お楽しみに!
小室淑恵こむろよしえ
株式会社ワークライフバランス代表取締役社長
ワーク・ライフバランスコンサルティングを900社以上に提供している。 クライアント企業では、労働時間の削減や有給取得率の向上だけでなく、業績が向上し、社員満足度の向上や、自己研鑽の増加、企業内出生率…
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