さて、前回に引き続き、ものの見方でビジネスのアイデアその2をお送りします。今回は環境メガネ、タイムメガネ、立場メガネを使ったアイデアです
環境メガネ×ビジネス=移動販売メロンパン
環境メガネは、「ものを変えずに周りの環境を変える」という視点ですが、身近でとてもわかりやすい例が、メロンパンの移動販売です。一見、どこでも買えるふつうのメロンパンでも、休日の公園や行楽地やサービスエリアで、「テレビで紹介されました」などののぼりが立った移動販売のメロンパンを見つけると、ついおいしそうに見え、買いたくなるもの。これも環境メガネを使ったビジネスですね。
マーケットを変えるという点では、前回ご紹介した冷凍パンのスタイルブレッドさんの話も参考になります。この会社では、当初、地元でブランドを築いてから全国や都心に進出しようと考え、まずは地方のホテルやレストランにプティパンを全面に押し出して持っていったのですが、まったく売れず。ところが東京のホテルに持っていったところ、それが受け入れられてそこから一挙に広まったそうです。これはプティパンという商品が地方のニーズに合っていなかったのが原因だったとか。ここでパンをへんにこねくりまわさず、マーケットを東京に変えた判断は正解でした。
タイムメガネ×ビジネス=ランチの定額制
タイムメガネの事例では、レジャー施設の年間パスポートをご紹介しましたが、一定の期間を定額で売る、もっと身近なサービスが、ランチの定額サービス「always LUNCH」です。これは一か月5,980円(税別)で提携店舗で毎日ランチを食べることができる、というもの。仮に20日間、800円のランチを食べたとすると、16,000円/月の出費になりますが、このサービスを利用すると約10,000円も安くなるという優れもの。以前、似たようなサービスでフレンチレストランで月30,000円で食べ放題というのがありましたが、この「always LUNCH」なら、気軽に利用できそうです。こうしたサービスは店舗側にとっても前もって定額の売上が立つので、お店側、利用者側もwin-winとなるよいビジネスだと思います。
立場メガネ×ビジネス=ヘアカラー専門店
最後は立場メガネを使ったビジネスです。私もヘアカラーを美容院でしますが、カットしたい時期と、カラーを染めたい時期がいつもずれるのです。しかたなく、色が落ちてみすぼらしいまましばらく我慢して、髪が伸びたらようやく美容院に行くというサイクルですが、スマイルカラーというヘアカラー専門店ではカラーのみを施術してくれます。料金も部分染めなら1,000円、根本染めなら2,480円、そして全体染めなら2,980円ととてもリーズナブル。まさに「こうしたお店を待っていた!」という感じで、消費者からもかなり受け入れられているようで、同様の店舗もたくさん増えています。これこそお客様の立場になり「あったらいいのに」を形にした素晴らしいビジネスといえるでしょう。
以上、二回にわたってビジネスの事例をご紹介してきましたが、ものの見方というツールを使って、ビジネスを見渡してみると、本当に多くのユニークなアイデアにたどり着くことができます。皆さんもぜひ、発想のツールの一つとして、ものの見方を使ってみてください。
さて、次回は「言葉のリフレーミング」についてお話していきます。どうぞお楽しみに。
- ★見方を使ったビジネスアイデアの例2
- 1.環境メガネ →移動販売メロンパン
- 2.タイムメガネ→ランチの定額制
- 3.立場メガネ →ヘアカラー専門店
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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