さて、このシリーズもいよいよ最終回となりました。今回はまとめ編です。
これまで以下のようなテーマで「ものの見方」について11回書き綴ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
- 1. ものの見方とは
- 2. 見方を変える観点メガネ
- 3. 見方を変える観点メガネその2:逆転メガネ
- 4. 見方を変える観点メガネその3:環境メガネ
- 5. 見方を変える観点メガネその4:タイムメガネ
- 6. 見方を変える観点メガネその5:立場メガネ
- 7. モチベーションとものの見方
- 8. 人間関係とものの見方
- 9. ものの見方でビジネスのアイデアその1
- 10.ものの見方でビジネスのアイデアその2
- 11.「言葉のリフレーミング」
- 12.まとめ
このテーマを掲げて講演や研修を始めてから、はや20年近く経ちます。いまだに全国各地よりお話の機会をいただき、皆さんの前で「ものの見方」についてお伝えするたびに、このテーマの普遍性を感じています。
なぜ、いつの時代もこのテーマが必要とされるのでしょうか。それはやはり、いつの時代も私たちは視点を変えて問題を解決することが求められているからなのだと思います。
仕事がイヤだからと言って、いまやっている仕事の内容や、上司や、お客さんを代えることは難しい。また自分がイヤだからと言って、そうやすやすと自分を変えたりできるものでもありません。であるならば、現状はそのままに、受け止め方を変え、新しい価値をつけたり意味を見つけ出すことで、自分にとってプラスになるような視点を見つけ出すのが、「ものの見方」的解決方法であり、また効果がある方法なのです。
いま日本だけでなく、全世界においてコロナウィルスの影響が及んでいます。多くの人が在宅勤務となり、人の集まるイベントなども軒並み中止、私の仕事である研修、講演もすべてキャンセルとなっています。
もちろん、早くこの騒ぎが収束することを望みますが、この事態を「ものの見方」を使って考えてみると、これは「逆転メガネ」を使う場面なのです。逆転メガネとは、誰しもがマイナスと思うことを逆手にとって、あえてプラスを作り出す視点のことです。
今回こうした状況になってから、はじめて働き方改革を真剣にスタートしている会社はきっと多いでしょう。残念なことに人も会社も国も、いざお尻に火がつかないと行動を変えようとしません。コロナウイルス騒ぎは、まさにお尻に火がついた状態、これでやっと会社も人も本気になって「なんとかしなきゃ→こうしたらよいのでは」と思い始めているのです。
在宅でどうやって仕事をするか、集中するには家族が入ってこない時間をつくったり、コワーキングスペースを利用したり。また出社しなくても時間を決めてビデオ会議をすれば、たいていの用は済むのではないか。データもクラウドにアップしてやりとりすれば、会社の端末でなくてもアクセスできるのでは…など、いろいろなアイデアが出てくるでしょう。
研修の世界でも、人を教室に集めず、ビデオに講演の様子を録画しておいて、それを社員に見せる、いわゆるE-ラーニングのような取り組みをしている企業もあります。私の仕事にも、まさに改革が求められているのかもしれません。
「現実は問題ではない。問題はものの見方だ」
いま起きている混乱を前に、不安ばかりに踊らされず、この場でできることを探していくことが、私たちが「ものの見方」を使ってできることなのです。20年前に始めたときから、講演の場でお伝えし続けているこの言葉をもって、このシリーズを終わりたいと思います。一年間お付き合いいただき、ありがとうございました。来月より新しいテーマとなります。どうぞお楽しみに。
「了」
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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