これまでのリーダーというと、みんなを引っ張るタイプでカリスマで力強く、声が大きい、といったイメージが浮かびがちですが、コラボレーションを成功させるには、それとは少し違ったリーダーシップが必要です。
1つ目は「パートナーシップ」。人とつながる力です。
これまでのリーダーのように、威圧感があったり、近づきがたい雰囲気を醸し出すより、ソフトで打ち解けやすく、誰とでも仲良くなれ、相手に「この人とだったら仕事をしてもいいな」と思わせる力が必要です。まずは相手に警戒心を抱かせないことが信頼関係の基本です。そのためにもこのパートナーシップは不可欠な能力です。
2つ目は「ファシリテーション力」です。
コラボレーションでは、2つまたはそれ以上の組織や企業が、ひとつの目標に向かって進みます。度重なるミーティングの中で、自分だけの利益を優先しても嫌がられますし、うまく双方の負担や利益の交通整理をすることが必要です。そうした場面で、うまく全体をリードするファシリテーション能力が求められるでしょう。
そして3つ目は「プロデューサー力」です。
一つのプロジェクトにかかわる複数の関係者のスケジュールや費用、その他をうまくとりまとめていくコラボレーションの仕事は、まさに現場のプロデューサー。末端の問題に気を配りつつも、つねに全体を視野に入れるバランス感覚が必要となってきます。
こうして見ると、改めて昔のリーダーのスタイルとの違いを痛感させられます。かつては「みんな、俺のあとについてこい!」的な体育会的リーダーがよしとされていましたが、最近ではそういったリーダーはむしろ陰をひそめ、人脈が豊富でスマートに立ち回れるタイプのマネジャーが多いように感じます。
今回のコラムをみて、きっと「これなら自分にもできる!」と思った方も多いのではないでしょうか。自分は押しも強くないし、リーダーには向いていないと思っている方、ぜひコラボレーション的リーダーを目指してください。時代は確実に「他者との協働」のほうに進んでいます。あなたが活躍できるスタイルが、ここにあるかもしれません。
次回は「コラボレーションに必要な3つの資質」についてお話します。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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