いつの時代にも、そのときにマッチした価値観があります。昭和の時代には「強さ、独自性」といった考えが幅を利かせていたように記憶しますが、いまは「柔軟性」「他との協働」といった方向に時代が進んでいるように感じます。
その理由は、2回目の連載「なぜ、いまコラボレーションか」でも書きましたが、ひとつには、単独では新しい価値を生み出しにくくなったこと、さらには社会が成熟し、相乗効果を考えるようになったことが挙げられます。
この動きは、ビジネス、教育、ひいては行政においても見られます。
●ビジネス:デパ地下のスイーツコラボ
東武デパート池袋店地下のお菓子コーナー、通称「デパ地下」では、同じフロアの売り場同士(通常はライバルのはずが!)が手を組み、新しいスイーツコラボ商品を生み出しています。伝統ある和菓子屋と有名ケーキ店がタッグを組んだ「栗きんとんのミルフィーユ」、こだわりのパン屋と和牛店による「黒毛和牛のメンチカツサンド」など、これまでになかった発想で、客を集めています。
●教育:女子中学生がカップ麺を開発?
これも驚いたのですが、品川女子学院という学校では、サッポロ一番でおなじみのサンヨー食品と手を組み、なんと中学の総合学習という授業で、実際に「トマリアーナ」というカップラーメンを開発し、商品としてきちんと売られているのです。これは企業にとっては、女子中学生の感性を知ることができるほか、自社PRにつながりますし、学校側にとっても、ユニークな取り組みとして大きな話題となり、学校の人気はうなぎのぼり。まさに素晴らしい相乗効果が見られるコラボレーションです。
●行政:家賃割引の代わりにお年寄りのお手伝い
また変わったところでは、横須賀市が、市内の高齢化が進む地域の過疎化を防ぐため、地元の大学と手を組み、空き家への家賃補助を行い、そこに住む大学生に、近所のお年寄りの買い物、ゴミ出しなどの生活支援をしてもらう、という取り組みがあります。行政という固い組織にも、こうした「他との協働」という動きがみられます。
このように、時代はいま、まさにコラボレーションを求めています。皆さんも、ぜひ自分の職場で、他との協働をステップアップのきっかけにしてみてください。
次回は最終回、まとめ編です。どうぞお楽しみに。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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