これまでいろいろなモチベーションの種類についてみてきましたが、今回は僕個人が何をモチベーションに感じているのかについて書いてみます。
1.やりたいことができる
まず、一番のモチベーションは「自分がやりたいことができるかどうか」。何はなくともこれは外せません。私は以前、コンサルティング会社で会計システムを導入する仕事をしていました。その「パッケージ」と呼ばれる商品は外国製で、日本の企業に最適とは言えないものでした。でも、会社の方針はそれを入れること。自分が心底いいと思わないものでも売らなくてはいけない「組織」の呪縛に耐え兼ね、会社を離れました。組織にいながらにして、やりたいことができる環境がある人は幸せだと思います。このモチベーションはかなり強力です。
2.人に喜ばれる
本を出して「あれ、おもしろかったよ」とフィードバックをいただく。あるいは研修プログラムを考え、参加者から「とても気づきがあった」との声がある。このように、自分がゼロから作り出したアウトプットが人に喜ばれる。こうした直接の反応がとにかく嬉しいです。「明日もがんばろう」と背中を押してくれます。これはきっと「人の役に立っている」ことを実感できるからなのでしょうね。無から自分が作り出した何かが人に有難がられる…これはもう最高の体験です。
3.困難に立ち向かう
僕は「それは無理だよ」「やめたほうがいい」といわれることに立ち向かっていくほうが、がぜん突破力があります(もちろん褒められてもうれしいですが)。初めての本を出すときもそうでした。誰に相談しても「経験もないのに本を翻訳して出すなんて無茶だ」と言われましたが、自分の感性を信じて行動しつづけた結果、形になったときの達成感といったら!やる気のスイッチのインタビューをしていると「ピンチの時にこそやる気が出る」という人がいましたが、僕もそうかもしれません。
4.人に頼られる
自分との約束はすぐやぶってしまいがちですが、人がからんでくるとそうもいきません。処女作を翻訳出版するとき、アメリカの著者から「日本での翻訳権は任せた。必要な費用があったらいってくれ」とまで言われたとき「これは絶対形にしないといけないぞ!」と必死になりました。頼ってくれる人や守るべき人がいるということは、自分にとってすごくエネルギーになるんだと実感しました。
こうしてみると、「やりたいことができる」「人に喜ばれる」は第8回に紹介したマズローの欲求五段階説の「自己実現」ですし、「困難に立ち向かう」「人に頼られる」はまわりからの「承認」にあてはまっています。
さて次回は「あなたの組織のモチベーションを上げよう」をお送りします。どうぞお楽しみに。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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