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2020年10月15日

ものの見方で問題解決!その7~製薬業界編

さて、今回のテーマは製薬業界ですが、その中でもMR(Medical Representative:医療情報担当者)の皆さんに向けた講演内容についてお話します。

研修のテーマ:「モチベーションが10倍上がる視点の見つけ方~見方を変えて自分を変える」

依頼の背景・課題:

MRという仕事は、病院やクリニックなどを回って、ドクターに自社の製品に関する医療情報を届けるという仕事です。提供する医薬品の臨床データや他の病院での事例、その他業界の最新動向などについても提供することがあるようです。以前はドクターとの面会や接待なども比較的自由でしたが、最近は規制がかかり、面会時間なども制限され、MRの方々は、非常に限られた接触機会の中で仕事をしなければなりません。それに加えて今回のコロナ禍でますますドクターに会いにくい状況になり、仕事がやりにくい状況下においてでもモチベーションをなんとか上げたい、ということで今回の依頼につながりました。

ものの見方で斬る:

10年前ほどに一度MRさん向けの研修をしたことがあります。その頃はまだ規制が緩く、
ドクターと食事などをする機会を通じて、ある意味日本的な信頼関係を築き、そこから営業活動につながったこともあるでしょう。
しかし今はそれが許されず、MRの皆さんは仕事のやり方を根本から変えなくてはいけない時期だと思います。それには、価値メガネを使って、自分自身の価値を高めなくてはなりません。より相手のドクターのニーズを研究し、相手が欲しがる情報を持つこと、そして忙しいドクターに代わって、その業界の最新情報を常に把握していることなど、今まで以上に専門性が求められるでしょう。接触のタイミングも、定期的に来てほしい人、必要な時だけ来てほしい人、自ら情報を取りに行きたい人など様々です。
情報提供の仕方も、インターネットを活用し、ズームなどを使ってミーティングを行う、ユーチューブで情報提供動画をアップする、またMRが情報ポータルサイトを作り、ドクターから見に来るようにさせるなどの工夫も必要です。

海外の様子を調べてみると、アメリカのMRなどは、それこそ担当エリアが何州にもわたっており、毎月一人ひとり訪問することは難しいので、早くからオンラインを活用したコミュニケーションが普及しているようです。また日本のようにアフター5で関係をつくる、というウエットな考えはほぼないので、よりドライに仕事をしているはずです。こうした事例のなかに、新しい仕事の仕方のヒントがあるかもしれません。

今後の展望:

いまMRの数が減っていると言われています。今後はより、専門性を持っている人がドクターからは求められ、ありきたりのMRでは淘汰されていくかもしれません。
しかし、MRという仕事は、年俸もよく、自分が提供した情報や医薬品で、人の命が救えることもあるでしょうし、とてもやりがいのある仕事でもあります。今の状況は逆にチャンスかもしれません。オンラインを使えば移動する必要がないので、場所と時間を超え、いままでアクセスできなかったドクターとコンタクトをとれるチャンスも広がるはずです。
ぜひ逆転メガネで見方を変え、新しい仕事の仕方を見つけていただければと思います。

さて次回は、ある外資系ラグジュアリーブランドのグループ会社で起きた、社員の意識改革の事例をお伝えします。バックオフィスの社員でも売上に貢献?一体どういうことでしょうか。どうぞお楽しみに。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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