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2021年コラムテーマ「非接触型社会での人の育て方」
さて今月から新しいテーマになります。今年のテーマは「非接触型社会での人の育て方」です。2020年はコロナ禍元年とでもいうべき区切りの年でした。日本だけでなく世界規模で多くの価値観が変化しました。この変化は、日本では明治維新以来初、世界でも産業革命以降初の大変化と言えると思います。これまで当たり前だった対面でのコミュニケーションが抑制され、それに伴い働き方も大きく変化しました。
こうした中で、職場で部下を抱えているマネージャーや上司の人たちは、距離を隔ててしか会えない部下たちにどう接し、育てていけばいいのか、悩みを抱えています。このコラムはそんな人たちの参考になれば幸いです。
第1回「リモート環境での新人の迎え方」
第一回目は「リモート環境での新人の迎え方」です。
これまでですと、新入社員が入ってきたら、職場で輪になってみんなで歓待し、夕方には歓迎会があり、飲み屋でお酒を飲みながらお互いを知る、というような接触がありました。
しかし、このコロナ禍においては、できるだけ接触回数を減らさなければいけません。
入社式をみますと、昨年と比べると今年は比較的リアルで対面での入社式も増えてきてい
てはいますが、週3日制などを政府が検討しており、ますますリモート環境での仕事が増えそうです。そこで今回は前提として次のように想定します。
- 基本は在宅勤務。会議はZoom などを使って
- 出社日は月に2,3日
- 10人程度の部門。今年入ってくる新人はAさん1人
はたしてこの条件下で、新入社員をどう受け入れたらよいか、いくつかアイデアを書いてみます。
Welcomeミーティング
こうした環境下では、新人のAさんも職場の同僚や先輩との距離をなかなか縮められないので、戸惑っているはずです。まずはZoomなどのオンライン会議システムを使って「職場での歓迎ミーティング」を立ち上げましょう。そこで全員が顔を出し、一人ひとりAさんに言葉をかけてあげましょう。
プロフィールシートの作成
また効率よく相手のことを知れる方法が必要です。そこで役立つのが各メンバーのプロフィールシート。よく自動車販売店や介護施設などに貼ってあるようなものですが、各メンバーの性格、趣味、仕事の内容、好きな食べ物等々、その人の人となりがわかる情報を共有しておくことです。方法は事前にメールで配布したり、社内ネットにそうした場を設け自由に閲覧させてもよいでしょう。人が誰かと協働しようというときには、まずその相手を知りたいという欲求があります。これをクリアしておくことで、お互いの人間関係がつくりやすくなります。
メンター制度の活用
オフィスで職場の仲間と対面で話をする機会も当然少ないはずなので、仕事のことなどに不安を感じているはずです。そこで活用したいのがメンター制度。先に入社した先輩と新人がある一定期間ペアを作り、仕事の相談などに乗るというものです。いまの人たちは、自分の悩みの持っていきどころがないとすぐに辞めてしまうので、事前のこうしたガス抜きのシステムがあれば、不安を最小限に抑えることができます。リモート環境で仕事をしていると、ただでさえ孤立感が増します。Aさんの重荷にならないような頻度を決め、定期的に声掛けをするなどの気配りが必要です。
対面時にすべきこと
月に数回の出社日では、できるだけAさんと上司や先輩社員が接する時間を作りましょう。
どれだけオンラインシステムの精度が上がっても、対面しないと伝わらない情報があるものです。それは、相手から伝わる雰囲気や顔色、言葉、やる気などです。五感を駆使して、人として相手を知ることに注力しましょう。
大勢でのランチはできませんが、感染対策(マスク着用、着席時に対面しないなど)をとりながら先輩とAさんとでランチをとったり、カフェタイムをとって休憩室でコーヒーを飲んだりならば可能でしょう。
以上いくつかのアイデアを挙げましたが、大切なことは以下の3つです。
- 人同士の距離を縮める
- 自分はここの一員であることを感じさせる
- 離れていることで倍増する不安をしっかりケアする
まとめ
いかがでしたでしょうか。非接触型社会での人の育成は、人類が初めて出会うチャレンジでもあります。しかしこれを変化のきっかけととらえることで、次のステージに上がれると信じています。一年間、皆さまとご一緒に考えていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。次回は「オンライン会議の仕方」をお送りします。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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