目次
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第2回「部下に好印象をもたれるオンライン会議4つのポイント」
第3回「リモート環境での部下の管理の仕方」
最近はリモートワークが推進され、週に1,2回の出社という会社も珍しくなくなりました。そんななか、どうやって部下を管理していけばよいのかを考えてみましょう。
時間ベースからタスクベースへ
いまだに多くの管理職の中には「朝9時にきて、終業の5時半まで会社に“物理的に”いること」が大事、と考えている人も多いようです。この考え方のまま、リモートワークの状況に放り込まれた上司は、毎朝9時にきちんとした服装でカメラの前に現れ、そしてパソコンに向かって終業時まで仕事をすることを求めてくるかもしれません。現に、ある大企業で働く40代の女性などは、在宅勤務のときにはできるだけパソコンのカメラの前に「存在すること」を求められるのが苦痛だと言っていました。
こうした上司の皆さんは、まずは「時間ベースの管理」を「タスクベースの管理」へと考え方を改めなくてはなりません。タスクベースとは、その人にある仕事を任せ、期日までにそれを仕上げることを求める、というものです。そして仕事を割り振ったら必要以上に干渉しないことです。
仕事の定義、レビューの仕方
日本の会社での各自の役割はきわめてあいまいで、自分の仕事が明文化されていることはほぼありませんが、欧米では job description というのがあり、あなたはこの仕事をすることが求められている、と文書化されているものがきちんとあります。
部下に仕事を振るときはいままでのように「これやっといて」ではなく、この job description のようにタスクの定義をはっきりとする必要があります。そして期日を決めます。
また仕事を投げっぱなしではいけません。「マイルストーン」と呼ばれるチェックポイントをいくつか設定し、期日までの間に何回かレビューポイントを設け、オンラインまたは対面で進み具合をチェックしましょう。こうしたことをこれまでしてこなかった管理職の人は、リモートワークに際し、この部分をスキルアップする必要があります。
部下の側にも自己責任が求められる
極論を言ってしまえば、期日までに仕事を仕上げれば何をしていてもいい、これが在宅ベースの仕事の仕方になります。その意味では部下の側にも自己管理能力が求められることになります。上司の目がないのをいいことに遊びほうけてしまい期日までにタスクができなかったのでは、自分の信用がつぶれますし、そんな人は会社にとって必要のない存在となります。そうならないためにも、上司と顔を合わせていなくても、仕事の質と期日はしっかり守るようにしましょう。
チームのレベルに合わせたチェックシステムを
リモート環境での部下の管理は、つまるところ部下の自己管理能力にかかっているように見えるかもしれません。しかし、残念ながらすべて人の自己管理能力が高いわけではありません。皆ができそうだと思えば朝のミーティングも3日に1回でいいでしょうし、さぼりそうだと思えば毎日実施するなど、部下たちをみて、匙加減を調整しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。リモート環境での部下の管理は、上司、部下、双方のレベルアップが必要ということがおわかりいただけたと思います。次回は、「リモート環境での帰属意識の作り方」についてです。どうぞお楽しみに。
●リモート環境での部下の管理の仕方~ポイント●
- 時間ベース→タスクベースの管理に意識を変える
- タスクの定義を具体的にする(ゴールイメージ、期日)
- 四六時中監視するのではなく、レビューポイントを設け随時チェックする
- 部下の側も自己管理能力が求められる
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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