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2021年07月30日

セカンドキャリアが順調な人の2つの特徴

ベテラン社員が、自身のキャリアを不安に思う理由として、「定年後に仕事があるのか」が共通しています。今や人生100年時代、多くの人が、今の会社を勤め上げたら余生を楽しく、とは思っていません。それは金銭的な問題だけでなく、定年時もまだ元気であることが想定できるからではないでしょうか。

以前、ある企業のベテラン向けキャリア講演で、こんな悩みの声があがってきました。

「うちの会社はいわゆる大手なので、給料も世間一般と比較すれば悪くないし、退職金もそこそこもらえる。しかし、何もしない自分の将来は考えづらく、年とってもある程度は社会と繋がっていたい。そのために今から何をしたらいいのか。」

この悩み、多くの方が感じていることかもしれませんね。

そこで、「定年後は何をしたいですか?」とお伺いすると、わからない、とおっしゃるケースも少なくありません。特に大手企業で新卒から現在に至るまで働き続けてきた人は、時代背景もあり、異動・転勤は当たり前、自分が何をやりたいか、よりも、会社から何を求められているか、に合わせて仕事をしてきた世代です。キャリア研修で、「何をしたい?」と言われても正直困るのは当然の事と言えます。

しかし、定年後のセカンドキャリアは、そうはいきません。そこで、定年後に比較的早めに仕事に就いている人の特徴を2つご紹介したいと思います。

1.自己理解ができている

まず、自己理解ができていること。キャリア研修では、シンプルですが必ず自己の棚卸しに使うチャートが、MUST/WILL/CANです。

節目の棚卸しのために必要な3つの視点図 節目の棚卸しのために必要な3つの視点

ご存知の方も多いと思いますが、MUSTはNEEDとも言い換えられますが、周囲から自分が期待されていること、すべきこと、役割責任です。そして、CANは、自分の強み、WILLは自分のやりがいです。この3つの重なる面積が大きいほど、バランスよい活躍に繋がります。例えば、こんな感じです。周囲から何を期待されているのかを理解しているし、自分の強みややりがいも自己認識していて、力を発揮している、いわゆるバランスが取れている状態です。

さて、ベテラン社員の方にこの3つを埋めていただくと、MUSTはすぐに埋められますが、CANとWILLが埋めづらい傾向にあります。今や多様性の世の中、誰もが同じCANとWILLではないのは、当然、と思われていますが、現在のベテラン社員が若手の頃、CANは一律でした。つまり、誰もが同じように力を発揮しなくてはならない、という考えでした。また、WILLが埋められない人にお伺いすると、やりたいか、やりたくないか、は関係ない。仕事だからやるんだ、と思ってやってきた。そうおっしゃります。

そのような時代で活躍してこられた方にいざ、自分のことを自分で考えよう、と言われても、なかなか厳しいものがあります。

自己理解が足りていない社員には、きちんと自分のことを考えるために特にCANとWILLを棚卸しする研修は欠かせないでしょう。

2.より多くの選択肢を知っている

そしてもうひとつ、定年後に仕事に就いている人の特徴は、情報量の多さです。
世の中にどんな職業や会社があるのか、選択肢を知っていることと、そのような情報や機会を繋いでくれる人脈があることです。毎日残業の日々、そして就業時間後は、会社の人たちとの飲み会が多かった人は、内側の情報には長けていますが、外の情報不足のことが多いのです。現役の時から外との接点が多い人は、案外すんなり、次の選択肢を見つけているようです。また、この世代の大手企業にお勤めの方は、現役の時から世の中の求人を見たり、転職活動をすることはご法度でした。「会社を裏切っているような気がして、求人なんて見ませんでした」とおっしゃります。そして、定年退職が見えてきてからようやく、外を見始めるのです。ちなみに、今の若手は、常に求人サイトをチェックしていますが、その理由は、今の会社が何かあったり、合わない、と思ったときにいつ辞めてもいいように情報収集をしておきたい、とのこと。

このような時代背景を踏まえて、ベテラン社員の不安を解消し、いい形でセカンドキャリアに繋げられるためにも、会社は、本人が自己理解と情報収集をするためのサポートをしっかりとしていただきたいと思います。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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