男性向け管理職研修で度々上がってくる悩みとして、「社歴の長い女性とのやり取りに困っている」というものがあります。その理由を深く尋ねていくと、
・何でも抱え込んでいて、その人に聞かないと仕事が進まない
・その人の影響力が強くて、嫌われるとやっていけない
・それはちょっと困るなあ、と思っても怖くて注意できない
こんな本音が出てきます。
「腫れ物に触るようになっている」、「怖いので、あまり関わらない」といったところが共通しているポイントではないでしょうか。
企業研修でも、社歴の長い女性はやはり影響力があり、その場の空気を作り出しています。その空気は良いものもありますが、悪くなることもあります。
さて、私がいつも管理職の皆様にお願いしていることは、「彼女たちを頼ってほしい」ということです。彼女たちは影響力を持っていることに間違いはありません。それを良い影響力として協力者になってもらうことができれば、組織の強みになります。
実際、社歴の長い女性で良いエネルギーを発揮している方もたくさんいらっしゃり、その方の共通点は「組織から期待されている。役割をわかっている。」という点です。
以前、いわゆるお局様で、会社から煙たがられている方とカウンセリングしたことがあるのですが、彼女のホンネは「私はもう必要とされていない」という不安と憤りでした。たくさんの経験を培ってきているので、発揮できるスキルはたくさんあるはずなのに、頼られている気がしないのです。それよりもむしろ、「邪魔者扱いされている」、「輪の中に入れない」といったように寂しさを感じているのです。
そこで是非、上司の皆さんにお願いしたいのは、彼女たちを頼ることです。「そんなこと急には怖くてできないよ」。これは、私のアドバイスに対して実際に上がってきた男性管理職の声ですが、以下のような関わりをしてみたらどうでしょう。
1)まず、どんなことをやってきたのか、できることを本人にヒアリング
2)部署のことで問題だと思っていることは何かをヒアリング
3)問題を解決すると、部署の状態や売上にどう影響するのか聞く
4)その方に期待したい役割を明確に伝える
この流れのポイントは、まずは本人に興味を持ち、本人のことを知るための時間を作る、ということです。そもそも、ここがちゃんとできていない人も多いのではないでしょうか。この関わりを持つことで、表面的だったお互いの理解が深まるはずです。そして最後のところは「ちゃんと期待を伝える」ということです。実は、お局様の中には「自分の存在価値」に悩んでいる人も多いのです。でも、会社を辞めるというわけではない、宙ぶらりんな状態の中、つい仕事を抱え込んだり、機嫌が悪くなっていたり・・・。すべての理由は「私の存在ってなんだろう」という不安と憤りなのです。
そこで是非、あなたにはこれを期待しているんだ!サポートしてほしい!と具体的に伝えてください。人は自分の役割がわからないと、悪いスパイラルに陥るものです。しっかり上司から期待したいことを伝えてあげてください。きっと味方になってくれるはずです。
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…
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