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さて、今年のコラムのテーマは「激変する人材育成のキーワード 〜いま私が伝えたいこと~」に決めました。毎年、ひとつのテーマを決めてそれを12回に分けて掘り下げていくという形でしたが、今年はちょっと趣向を変え、ランダムにその時々に感じた「伝えたいこと」をテーマに選んでいきたいと思います。今月のテーマは「自律する力」ですが、これはぜひ新社会人の皆様にも知っておいて頂きたい内容です。
第1回「自律する力」
第1回目は「自律する力」です。コロナ禍になってはや三年。世の企業もリモートワークのスタイルがだいぶ定着してきました。会社に出勤するのではなく、自宅のリビングで、または近所のコワーキングスペースでパソコンで仕事をこなすという方も多いのではないでしょうか。
上司の目がない、周りの目がないというのは、ある意味気楽でいいもの。しかし、今度は逆に、ついさぼってしまおうという気持ちが頭をもたげてきます。私は、人は元々さぼりたいと思う生き物だと感じていますので(自戒を込めて)、それを律するには何かしくみが必要だと思っています。
コロナ以前、出社が基本だった時代には、物理的に会社に行くことで切り替えもでき、上司が声をかけてもくるので知らずのうちに仕事モードになっていたはずです。しかし、働き方がリモートになってくると、自分で自分を管理できる自律型人間でないと、うまく仕事がすすみません。自宅でいると、いろいろな誘惑や雑用が入ってきて、仕事が中断されたり能率が下がったりします。私自身も家で仕事をしており、自分との闘いに一番苦労しています。いったいどうすれば自律型人間になれるのでしょうか。
●仕事の計画を自分で立ててみよう
何よりもまず人に管理されることをやめ、自分の時間は自分で管理することです。タスクを受けもったら、最終ゴールから逆算して、いついつまでにはここまでできていればいいという、マイルストーンを自分で設定できるようにしましょう。
●仕事の時間を区切る
学校の時間割のように何時から何時までを仕事と決めましょう。ちなみに私は子供たちを見送り、洗い物、掃除、洗濯をして10時からが仕事の時間としています。そして12時から昼食タイム、12:40くらいからまた自室に戻ってパソコンに向かいます。タスクが複数ある方は、何をいつやるか、時間割を作っておくと良いですね。
●細かいゴールを決める
たとえば原稿書きでも、構成を考える、章立てを決める、1つの章を仕上げる、など、ゴールを細かく決め、そこまでやったらちょっと一休みする、コーヒーを淹れにいく、など小さなゴールを設定しておくとよいでしょう。
●約束に他人をからめる
基本は上司になるのでしょうが、ひとつの仕事の締め切りを設定し、それを上司やスタッフの人に出す、という区切りをつけます。約束は他人をからめないとなかなか守れないので、「~日までにこれをメールで送ります」というような約束を他人としましょう。
●日に一回はオンライン会議や電話で
一人で仕事をしていると、どうしても孤独になります。上司や同僚は家族ではありませんが、少なくとも同じ目標に向かって進んでいる同志ですから、日に一回は彼らとオンラインや電話で会話をすることで、連帯感や安心感も生まれるはずです。
●トラブル対応力を身につける
リモートの現場でも、お客様とのやりとりでのトラブルや仕事でのわからないことなどさまざまな問題が起きてきます。そこでできるだけ自分の力で解決できるよう汗をかいてみましょう。もちろん、どうしても上司や同僚の力を借りる必要があるときは遠慮なく相談しましょう。一人で仕事をしていると、自分で考え、判断する機会が増えますが、その繰り返しこそが自身の自律する力となってくるのです。
まとめ
令和の時代、「自律する力」は必要不可欠な能力です。企業もどんどんオフィス拠点を減らし、リモートワークでの生産性を高めようとしています。そうした状況においては、いちいち上司が目を光らせて管理しなくても、任せておけば成果を発揮してくれる自律型社員でなくては務まらない時代になってきています。皆さんもぜひ、しくみを取り入れたり、周りの人をうまく活用して、「自律する力」を身につけて頂きたいと思っています。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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