第10回「想定外に対処する力」
2023年がスタートしました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。お正月といえば箱根駅伝。私はこれが好きで毎年観ています。去年の王者青山学院大学が今年も連覇なるかと思ったのですが、往路の最終5区箱根の登りと復路の下り6区で急遽入れ替わったランナーがそれぞれ結果を出せず、優勝は駒澤大学となりました。
箱根駅伝で起きた選手の入れ替え
青山学院大学に起きたハプニングは、最初5区の登りを走る予定だった若林選手が前日の練習で体調不良を訴え、急遽6区の下りを走るはずだった脇田選手が「登り」を走ることになったこと、そして6区の西川選手も調子が上がらなかったことでした。結果、一時は8位まで下がったものの、9区の岸本選手が3位まで上げる快走をみせ、そのまま3位でゴールしました。最後になんとか3位まで戻して来たのはさすがだと思います。
この結果を見て思うのは、王者でも勝ち続けるのは難しいということです。本番の前日、5区を走る予定だった若林選手が不調を訴えたとき、当然代替の選手のことも想定していたであろう原監督ですが、急遽代走が決まった選手がぴったりはまるほど箱根駅伝は甘くありません。「準備はできていた」というのと、「本番同じパフォーマンスを出せる」というのはまた違うようで、そこは百戦錬磨の原監督も予想できなかったようです。
想定外に対処する力
私たちのビジネスの現場においても、やはり同じようなことが起きます。ビジネスの現場においては、勝つということはつまり毎回しっかり結果を出すということ。ところが準備をきちんとしていても、想定外の出来事が起こります。
私事ですが、先日講演の場で、予めセットしてもらっていたパソコン上のデータがうまく動かないトラブルがありました。細かい話になりますが、パワーポイントのデータに動画ファイルを組み込んであり、それを動かしながら話を進めるという場面です。
事前にその動作確認をお願いし、OKだったにも関わらず、当日それを動かそうとすると、なぜかパソコン上では動いているのに投影データは止まったままです。なんとかその場で話をつなぎ、パワーポイント上で動かすのをあきらめ、その動画データを直接立ち上げてみたら、やっとそのデータが動いたのでほっとしました。
こうした想定外のトラブルの対処は、場数もそうですが、ふだんから「もしこれが動かなかったら」というシミュレーションをしておく必要があります。またそこが動かなくてもプランBを用意しておくことも必要かも知れません。講師の仕事は、いただいた60分なりの時間で、期待された満足度を作り出すことにあります。それがパソコンのトラブル程度で1分なりとも中断してはいけないのです。今回のことをふまえ、改めて起こりうるトラブルについての対策に頭を巡らせました。
真のプロフェッショナルたれ
皆さんのお仕事でも、想定外の出来事が起きることがあるでしょう。自分はきちんとすべきことをしたのに、部下やお客様や出入りの業者さんなど、どこかで歯車が狂うことがあるかもしれません。また機械が壊れたり繋がらないという可能性もあります。
そんな出来事に見舞われても、対処できるのが本当のプロフェッショナル。2023年、ぜひご自分のリカバリ能力を高め、想定外のトラブルにも対処できる力をつけていきたいものです。
【想定外に対処する力】
- たとえ準備をしていても想定外のトラブルは起きる
- 「もしこれが動かなかったら」のシミュレーションをしておく
- できればプランBを用意する
- 想定外に対処できるのが真のプロフェッショナルである
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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