ご相談

講演依頼.com 新聞

コラム ビジネス

2015年01月20日

芽を摘む管理職と芽に水を与える管理職

女性向けの研修を実施する際は必ず、受講者が日頃「これは問題だ」と気付いていることや課題などを挙げてもらいます。問題や課題はグループワークで会話しながら挙げていただくのですが、最後に上司や周囲に提案したかどうかを確認すると、出来ていないことがほとんどです。

その中には、「以前言ったことはあるが結局聞いてもらえなくて・・・。」という声も。

しかし、彼女たちの気づいている課題は、もちろん自分本位の内容も混じっていますが、多くが会社にとって大事なことばかりです。

ここから考えられるのは、

「言いたいことが、上司や周囲を動かすほどうまく伝えられていない」

ことです。つまり、わかるけど面倒だ、あまり実施するメリットが感じられない、そもそも何が言いたいのかわからないなど、言い方のまずさです。

しかし一方で感じるのは、管理職が変わろう、変えようとしないことです。

先日、ある企業研修の後、受講生である女性と男性管理職との懇親会が催されたのですが、こんなことがありました。

管理職「研修はどうだった?気付きとか色々あったんじゃないか?」
受講生「はい、色々勉強になりました。」
管理職「それはよかった!前向きに仕事ができるな。具体的には何がよかった?」
受講生「はい、会社がこれから発展するためにも、もっと○○の課題に取り組んだ方がいいと思ったんです。そのためには・・・」
管理職「確かに、それはわかるよ、でもそれはすぐには難しいんだよ。」

結局、延々と管理職の説教が始まったのです。しかもその説教は、「そんなこと甘いよ、できないよ」といった方向性の話です。するとその場にいた女性陣は、「もうこれ以上言っても上司は聞いてくれないだろう、またいつもの繰り返しだ」と思ったのか、黙ってしまいました。

後で女性にお伺いしたら、「はい、いつもそうなんです。私は前向きに提案したいのに、いつも上司がいっぱい喋って、最後は『頑張れ』で終わるんです。これじゃあ変わるわけがない。」とのこと。

とても残念に感じるのですが、まずは部下の話は最後まで聞いてほしいなと思います。途中から、考えが甘い、無理に決まっていると決めつけが入るのが本当に残念です。そして、自分にはない発想の人の意見をゼロベースで受け入れ、まずはやらせてみたり、「だったらやってみなさい」と権限を与えつつ、サポートしたりしてほしいのです。

もちろん、そのような行動が出来ている管理職にも、たくさんお会いしてきました。彼らは「なるほど、若い人や女性ならではの、自分には気付けない発想だな」と、イキイキ、のびのびできるように支援していました。

そんな管理職の下では、女性のみならず、若い人たちも次々に意見を言い、活発です。発想も柔軟になります。本当に管理職次第で「芽を摘む」か「芽に水を与える」か、違いが明らかになります。

管理職の仕事は、環境づくり、場づくりです。自身とは異なる発想、特に若手や女性の意見、力をフル活用できるように、「聞く力」、「任せる力」が益々必要となっているように感じます。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

  • facebook

講演・セミナーの
ご相談は無料です。

業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。