第6回「オンライン会議リテラシー」
さて、今回はオンライン会議リテラシーについてです。最近では、対面せずズームなどのオンライン会議ツールを駆使してミーティングを行う機会が非常に増えています。しかしその特性や使い方について、まだ不慣れな方々も多いと思いますので、今回はオンラインでミーティングをする際におさえておきたい点をいくつかご紹介します。
オンラインは、リアルの対面と比べると意図が伝わらなかったり誤解を招くことが多い手段です。こうしたコミュニケーションが増えているいまこそ、ポイントをしっかり押さえておきましょう。前半は環境面(機器や使い方)、後半はソフト面(スキルなど)についてお伝えします(想定として、あなたは会議を主催するマネージャーとします)。
ミーティングを行う環境
- ソフトに慣れておくこと
オンライン会議のツールにはZoomやTeams、Webex などがありますが、まずは自社で使うツールを使いこなすことです。テスト会議などを開き操作感を一通りおさらいしておきましょう。回線が安定しているか、マイク、スピーカーが機能するか、また参加者とのやりとり、チャット、挙手の機能など確認しておきましょう。また可能であれば機器のバックアップがあるとなお安心です。 - 背景
プロフェッショナルとしてプライベート感をあまり出さないよう気をつけましょう。お使いのパソコンのスペックが許せば、オフィス、風景、無地などの背景画像を使いましょう。それが難しいなら白地のカーテンをつけたり私物が見えないような工夫をしましょう。 - ライティング
カメラで会議をする場合、ライティングはとても重要です。ライトがあるかないかで顔色がだいぶ違ってきます。自宅から配信の場合、オフィスと比べるとどうしても光量が足りず、顔色が暗くなりがちです。覇気がなく暗い印象になりがちですので、ぜひリングライトを使って顔色を明るくしてください。
ソフト面(スキルなど)について
- ファシリテーションスキル
一方的に話し続けるのではなく、適度に参加者とのやりとりを挟むと、聞いているほうは聞きやすいものです。同じ人が同じ調子で話しているのをずっと聞くのは苦痛です。ときに間をとって「~さんはどう思いますか?」と話を振りながら進行すると、リズム感も出ますし、参加者もほかの人の存在を知って安心できます。これはリアルの研修でも同じですね。
- カメラ目線について
人と人が対話するとき、この目線というのがとても大切です。目をしっかりみて話すとのそうでないのとでは、相手に伝わる情報量も変わってきます。これまで多くの会議をしてきましたが、残念ながら8割以上の方の目線がカメラに向いていませんでした。モニターの上に置いた外付けカメラやノートパソコンの上部についているカメラを使う場合、目線が下に落ちがちです。これは相手が受ける印象に大きく影響します。面と向かって話すときは相手の目を見て話すのが基本ですが、オンラインになるとこれが難しくなります。画面の資料に目がいったり、どこを見てよいのかわからないケースが多いようです。ネットで探すと、画面のど真ん中に設置できるカメラがありましたが、位置としてはこれが一番理想です。できるだけカメラを見て話すようにしましょう。そうすると相手は、自分に話しかけてくれているように感じてくれます(ちなみに私は、いつも自分がテレビの司会をやっていると思ってオンラインの研修をしています)。 - 声は高めに、オーバーアクションで
まず発声ですが、ふだんよりも高いキーからしゃべりましょう。どうしてもリモートだと声のスイッチが入らず、普段モードで話してしまう人が多いですが、初対面の場合などは特に高めに。アナウンサーのセミナーにいくと「ドレミファソのソから」といわれるほどです。そしてアクションはオーバーアクションで。うなずくときなどは大きめにうなずくと相手には「聞いてくれている」という印象が伝わります。
- おもてなしの心が大切
リモート環境で働く時間が多い場合、相手は孤独感や閉塞感を必要以上に感じているものです。ですので、できるだけ相手の話を聞き、受け入れ、認めてあげるような心遣いが欲しいものです。オンラインで対話する場合、あまりにも事務的な対応ですと相手に不安やいらぬ誤解を感じさせることがあります。たとえば、うちにお客さんが来たときのような「おもてなしの心」をもってすれば、きっと対応もあたたかく優しいものになると思います。
以上、挙げたポイントに留意しながら、ぜひ実りあるオンライン会議を開いてください。
【まとめ:オンライン会議リテラシー】
<ミーティングを行う環境>
ソフトに慣れておくこと…参加者とのやりとり機能などを確認
背景…画像や白い生地などでプライベート感をなくす
ライティング…リングライトで顔を照らす
<ソフト面(スキルなど)について>
・ファシリテーションスキル…適度に参加者とのやりとりを交える
・カメラ目線について…相手の目の代わりにカメラを見て話す
・声は高めに、オーバーアクションで…ドレミファソのソから
・おもてなしの心が大切…来客を招くホストのように
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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