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2025年01月21日

お悩み相談室(前半)~若手ビジネスパーソンからの質問に答えます

第10回「お悩み相談室(前半)~若手ビジネスパーソンからの質問に答えます

さて、今回は若い人が上の人に対して抱いている質問にお答えしたいと思います。事前に20代後半の若手ビジネスパーソンから質問をいただきました。これまでの講演では、上司の人が若手とどう接するか、という課題が多かったのですが、若い人の悩みをあまり聞いたことがなかったので、今回とても興味深く拝見した次第です。ではさっそくいってみましょう。

(1)「自分たちは“効率重視”のつもりですが、上の世代の方々はどんな働き方を“理想”だと思っていますか?」

「基本、効率重視、ところにより対面」

私自身は、どちらかというといまの若い人の感覚に近く、理解もできるので、効率重視には大いに賛成です。私は50代後半ですが、周りの同世代を見渡すと、我々より上の世代の人たちは、まだ昔の昭和的な価値観で生きている人もちらほら見受けられます。この世代は、オンライン会議もなく、大事なことは顔を突き合わせて決めてきたので、大事なことのテキストメッセージでの報告やリアルで会わない会議などには少なからず違和感を感じていることでしょう。ただそうはいっても、テクノロジーは進化し、働き方も変わっているのは理解しています。なので、理想の形というなら「もちろん効率は大事で、オンライン会議やテキストのチャットミーティングも大いに活用すべし。しかし、ここぞという大事なときには、顔を突き合わせて話したい」と言うあたりが落としどころなのかもしれません。

(2)「指示の意図をすぐに理解するのが難しいとき、どうすればうまく汲み取れるでしょうか?」

この状況はよく見られます。ひとつには上司の指示があいまいすぎて詳細がみえないこともありますが、いっぽうではいまの若者が、その場の空気を読んだり、相手の意図を察することに慣れていないという状況もあります。これを改善するには、「周りの状況を広く見る視点を持つ」ことが役立つと思います。私が最近の若い人に接して良く思うことは、視野が狭いということ。目の前の状況、自分のことしか見えていなくて、もっと広い範囲、たとえば相手の状況やまわりの様子がみえていないのです(もちろん全員ではありません)。上司の指示の意図をすぐに理解するためには、ふだんから自分のことだけでなく、上司や同僚がどんなことをしているのかをキャッチしておかなければなりません。自分の部が、また上司がいまどんな仕事を進めているのか、そのなかで自分の仕事とどうつながっているのかなどが頭に入っていれば、「あぁ、それってこれにつがなっているんだな」と推測がついてくるはずです。デジタル思考では求める情報に対する答えはすぐに出ますが、ほかとの関連性を想像したりするのはアナログ的な思考なのかもしれません。

(3)「若手の意見を上の世代の方々は、どう受け止めていますか?」

これも人次第だと思いますが、私はほとんど好意的に受け止めています。それは、いまの人たちなりの感性から出てきている意見は、自分にはない視点ですし、しばしば「自分ではそうは考えなかった」と気づくことがあるからです。もちろんときには、思考が浅く、短絡的だなあと思うこともありますが(笑)。よく「上の人が話を聞いてくれない」という声を耳にします。そういう上司はきっと、「何かモノを言うからには、しっかり下調べしたうえでしゃべれ」などという、古い考えにとらわれているのでしょう。確かに昔はそういった空気もあり、また経験第一主義で、経験の浅い若者の話など聞いても価値がない、または忙しくてまともに取り合っている暇がないと思っている上の人がいることも残念ながら事実です。でも、きっと若者の意見には刺激を受けているはずですので、どうぞ物怖じせず、自分の意見を発信してほしいと思っています。上の世代は、しがらみや慣習にとらわれがちなので、それをブレークアウトするには若い人の合理的な視点は必要なのです。

(次回に続く)

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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