『右向け右』
権力者にそう言われて、私が自分の信念を曲げて右を向く人間だったなら、私は政治家にはなりませんでした。
先の総選挙にて、郵政民営化法案に反対をした私は、自民党から刺客を送り込まれ敗れ、落選しました。私は、日本の国益、日本人としての誇りを考えると、今回の法案にはどうしても妥協することができませんでした。敗れた今でも、自分の正しいと思う信念を貫いたことを後悔していません。
私が政治家として、国の為に働きたいと考え始めたのは、小学生の頃です。昭和19年生れの私が子供の頃は、戦災孤児や父親が戦死した友達が多数いました。敗戦後の貧困の中、子供ながらに、「皆が安心して暮らせる豊かで平和な国にしたい」と願うようになりました。
その志は、中高時代デーンとそびえ立つ国会議事堂を見ながらの通学により、一層深まりました。大学時代には、友達と日本の未来について、夜が更けるまで熱く語り合ったものでした。
政治家になったときに、どうすれば国の為に役に立てるかを考えた時、
大学生の私が考えついたのは、通産省に入りあらゆる分野の知識を実践で身につけることでした。
私が『衆議院選挙に出る』と言ったとき、周囲は驚き、『地盤(組織)・看板(知名度)・鞄(資金)がないのに、受かるわけがない。』と大反対されました。当時、何のコネクションも持たない人間が国政選挙に出るのは、とても珍しいことだったのです。結局、16年間通産省にて働き、退官した次の日から、私は毎朝の駅頭演説を始めました。無名の新人の私が、皆様に私の政策を知っていただくためには、駅頭に立つことが全てだったのです。
最初は、『何だ?毎朝駅頭で叫んでいるあの男は。』という目で見られました。確かに、ビールケースの上に立ち、メガホン片手に政策を叫ぶ姿は今思うと、鬼気迫るものがあったのでしょうね。しかし、半年、一年と真剣に続けていると、面白いもので段々、あたたかい声をかけてくださる方が増えてきて、とても励みになりました。
昭和60年に初当選するまで、8年間(殆ど無収入!)の浪人生活があるからこそ、私は世間の厳しさ、そして温かさを、身をもって知ることができました。ゼロからスタートした人間です。これからも堂々と自分の信念を訴えていく覚悟です。
かつて日本人は、和を尊び、助け合い、敬い合いながら、勤勉に働き、礼節ある文化を築いてきました。今、倒産・失業率の増加、貧富の格差、犯罪多発や公共心の低下…といった殺伐としたニュースが流れるたびに、弱肉強食・拝金主義といった言葉が思い起こされます。
又、これから迎える高齢化社会で、果たして老後、ちゃんと年金がもらえるかどうか、介護・医療制度は整っているだろうか、そんな将来に不安をもたせる社会では、ますます女性は子供を生みたがらなくなってしまいます。
戦後60年、日本は驚くべき経済成長を遂げた中で、国家としての発展はありましたが、失われたものも多くありました。かつて世界から高く評価された公共心や道徳心は地に落ち、義務教育の水準は下がり、又、プライド高き国民国家であったはずの日本が、北朝鮮に同胞を拉致され、中国には絶えず領海を侵犯されるありさまです。
しかし私は、日本の一国民として、日本の未来を諦めることはできません。
この国を、軍事面はともかくとして、少なくとも経済・金融面においてアメリカから独立した国家に成長していくことによって、日本の発展と世界の国々からの信頼を取り戻していくことを考えなければなりません。
現在の大新聞・テレビが全く報道しない日本のおかれている真実を、国民の皆様にお話することによって、国民の皆様の力を結集して明るい未来を取り戻すよう頑張っていきたいと思います。
小林興起こばやしこうき
元財務副大臣
<ご本人からのメッセージ> かつて郵政民営化法案に反対して、自民党を追放されたが、この法案は米国の要求であることが今なお国民に全く知らされない中で、ますます米国への隷属化が進む。その根底に戦後70年…
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