「どのように活躍したらいいのか、わからない」
女性社員向けの研修や講演で、受講者から質問されることがあります。質問を重ねていくと、やる気がないわけではない、でもロールモデルとなる先輩女性も少ないし、会社からは活躍を促されているが、イメージがいまいち明確にならない、とのこと。
特に、一般職の女性は悩んでいます。その背景としては、こんな感じです。
以前の一般職の役割は、男性総合職のサポート役として、請求書や見積書を作成したり、営業部であれば、受発注業務を行ったり、と、縁の下の力持ちとして、細かいデスクワークが中心でした。そして、一般職の位置づけは、商社やメーカーを中心に、ずっと長くいることはイメージされておらず、ある程度の年齢になったら、結婚して退職していく存在でした。そのため、長く働き続けることを想定して、仕事を割り振られてこなかったですし、教育をされてきませんでした。
しかし、ここにきて、女性も長く働き続ける世の中となりました。しかし、多くの企業が働き続ける一般職をどのように活用していくのか、明確ではないままです。
ただひとつ言えるのは、その組織も一般職に対する期待は、今までのような働き方ではなく、「一歩進んだ仕事をしてほしい」ということです。ですが、この「一歩進んだ仕事」が何かをはっきりさせないまま、一般職を採用、活用している組織もたくさん存在します。
そんな中、10年ほど経つ一般職女性たちは、今、迷っているのです。どんどん新人の一般職女性が採用され、また、自分よりも後輩の総合職で活躍する女性が増えていっている。私は、何を期待されているの??
不安を感じつつ、でも、どう変化していったらいいのか、期待されていることが明確にわからずに、行動できずにいます。
一般職向け研修や講演では、女性たちに、自分で課題を見つけ、それを自分の仕事にすることで居場所が明確になる、といったメッセージを送っています。
彼女たちはそのメッセージに対して、理解納得するようなのですが、実はもう一押しほしい、と思っているのです。
一般職は、現場で起こっている様々なことを見ています。もっとこうした方がいいのに、など、改善すべき点も見えていますが、今まではそれをやるのは自分たちの仕事だとは思っていませんでした。でも、これからは彼女たちの仕事となるでしょう。
研修でやった方がいいって気付いたけど、本当に私たちがやっていいの??こんな不安を抱えているのです。
なぜなら、今まではそこまでの領域を期待されておらず、むしろ、一線を越えることになるからです。私がやろうとしていることは、本当に期待されていることなの?余計なことをやろうとしているんじゃないだろうか・・・。
そこで必要なのは、先ほど述べた「一押し」です。上司から、「それがあなたの仕事です」と太鼓判をしてもらったり、実行する際の後ろ盾として上司がいてくれたり。
このようなバックアップがあって、安心して一歩が踏み出せるのではないでしょうか。今の一般職が新たな課題をみつけ、新たな領域で活躍することが、その後に続く後輩にとってもよいお手本となっていきます。
上司の皆さん、是非ご協力をお願い致します!
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
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