女性からのキャリア相談の際、私としてはちょっと言いづらいですが、しかし、お伝えすることで、結果が大きく変わることがあります。それは、「見せ方」です。
以前、ある女性が「転職の面接を受けても、いつも落ちてしまう、その理由がわからないので、対策を考えてほしい」とおっしゃり、カウンセリングにいらっしゃいました。話をお伺いしていくと、どうやら書類通過率は高く、また、一次や二次面接もクリア、毎回つまずくのは、最終面接でした。この流れで考えてみると、書類上に書かれている経験は、「採用したい」レベル。そして、途中の面接はクリアしている、ということは、完全に対面して、NGではないのです。しかし、何かの決め手に欠けるのでしょう。だから、最終面接まで通過するのですが、最後の最後になって「不安要素が残っている」ので、クリアしないのではないかと分析しました。「確かに何度も、本当に大丈夫か、を面接のたびにしつこく確認されます」と彼女もおっしゃっていました。
そこで私は、外見のアドバイスをさせていただいたのです。スーツ、髪型、メガネ、お化粧、そして受け答えの仕方。少しずつ変化してもらったら、何と、その後から最終面接がスムーズに通過するようになったのです。
お分かりかと思いますが、服装や姿勢、喋り方で、人は大きく印象が変わるのです。
キャリア相談では、今所属している組織での評価に悩んでいる女性も多く見えます。共通しているステージとして、次の昇進が控えている人です。「他の同期男性と比較しても、仕事はちゃんと出来ているはずなのに、昇進させてもらえないんです。」とおっしゃいます。優秀な女性にチャンスが回らない。こんな残念なことはないのですが、しかし共通して言えるのは、彼女たちの「見せ方」が足りないこと。
特にステージが変わる時、それは年齢もそうですが、どこかで今までの女子としての自分を卒業する必要があります。
例えば、服装はシックに、髪型もフェミニンさはあえて抑える。これもまた、年齢が更に40代後半になったら、あえてフェミニンにすることも柔らかさを出しますので悪くはないですが、女性としてちょうど30代、40代前半は、若く見られるとチャンスを逃すことも。特に、若い頃から同じ組織に在籍する場合は、新人の頃の残像が上司にもあります。自ら見せ方を変化させないと、いつまでも、「若手」「女の子」のままなのです。
認めてもらうためにも、あえて見せ方も攻めてほしい。そう思って、言いづらい点ではありますが、思い切ってアドバイスするように心がけています。
このように服装や見た目については、異性は勿論のこと、女性の先輩も言いづらいものです。できれば自分で気づくことが大事なのですが、そのヒントは、「こんなに仕事は出来ているはずなのに、お子ちゃま扱いされている。」そう感じた時です。
スーツは堅苦しい。そう思っても、ジャケットを羽織っているだけで、周囲から見られるイメージが全然違うものです。
また、研修でプレゼンテーションの練習をすることがあるのですが、姿勢正しく、堂々とお話ししているだけで、優秀さが伝わってくるのを感じます。一方で、せっかくいいことを提案しているのに自信がなさそうですと、聞いている皆さんの集中力が下がっていくのが感じ取れます。
見せ方は、自分の意識と練習次第。
女性のみなさん、ステップアップしたいときは、ちょっとだけ見せ方も変えてみてはいかがでしょうか。
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…
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