先日、マネジメント会社のAさんと打ち合わせをしていたときのこと。
「川村さん、ポジティブ思考とものの見方の違いって何ですか?」
「ん?それはね・・・」
答えようとして、はたと行き詰った私。
(うーん、その違いって突き詰めて考えたことなかったなあ)
A「私が思うに、ものの見方って、ポジティブ思考より、より大きな概念の気がするんですよね」
私「フムフム」
A「つまり、ポジティブにモノをみるよりも、もっと積極的っていうか・・・」
Aさんの考え方はおおむね正解です。
私が「ものの見方」で扱うのはリフレーミングの概念。これは物事をとらえる枠組みから強制的にガラリと変えてみましょう、ということ。これまでの常識や慣習で「非」とされていることを非ととらえず、その意味から定義しなおしませんか、という提案なのです。
たとえば、次のような場合。普通にポジティブに考えると・・・
(1)上司とどうもソリがあわない
⇒そんなことはよくある話。真剣に悩むのは損。適当につきあう
(2)仕事でミスした
⇒もっと大きなミスでなくてよかった。起きたことを悔やんでも仕方ない。また同じミスをしないように気をつけよう
これがいわゆるポジティブ思考。しかし、ものの見方を変えるというのは、これ以上のことを試みます。
言葉を変えれば「出来事の意味を自分でクリエイトしましょう」ということなのです。多分、皆さんが思う以上に、より無理矢理、貪欲に、自分にとってプラスになる意味を見つけようという感じ。逆手にとってやる、ぐらいのひねくれ方が必要です(笑)。だから、さきほどの例も、
(1)上司とどうもソリがあわない
⇒ソリのあわない上司。これは人間関係を学ぶ絶好の実験材料。よし、これをきっかけに心理学セミナーに通い、学んだことを上司に試してみよう。それから「この上司、ソリがあわない!」と題してブログを書こう。ひょっとしたらこれは本を書くネタになるかもしれないぞ。
(2)仕事でミスした
⇒考えようによっては、人間関係において、自分がミスしたときは、相手の懐があく瞬間。ならばこれを逆に利用して、相手をたて、懐に飛び込んで、誠心誠意尽くしてみては。そうすれば、何事もなかった緊張関係を打破して、より深いつながりが持てるきっかけになるかも。
なので、もしマイナス5くらいの問題が起きたら、それをただゼロにするのではなく、逆にそれを利用して「プラス5」に変える。そうするための見方を探す、ストーリーの脚本を書く、という意味で、ものの見方は「Creative Thinking」なのだと思うのです。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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