早いものでもう6月。
日の暮れもどんどん遅くなり、ぐんぐん夏に近づいています。
着るものの嵩(かさ)が減ってくると束縛するものがはがれていくようで、気分も軽くなってくる、そんな季節になりました。
新宿1丁目あたりの繁華街は、夕暮れ時にもなると昼間以上に人ごみで溢れています。
通販ネットのキャッチコピー的に言うなら、マキシ丈のちょっと大人ガーリーなワンピ(―ス)を着た女子たちを居酒屋の客引き声が、「いざかや、いかがですかぁー」と語尾を少し上げた声で追いかけています。が、通りを行く人の反応はなし。
ドラッグストアーの呼び込みの声も夜に近づくとなおさらそのテンションが上がるようです。呼び込みの声も、声を出すことが目的であるかのように大声で、道行く人は無視しています。大声を出すことが目的であってもいいのかもしれませんが、徒労感に陥らないのでしょうか。成果のある呼び込みの方が楽しいと思うのですが。
呼び込みの彼らの役目は、お客さんを店に誘い込むことですから、どのようなお客さんに対し、どのような文言で声をかけるかが重要になってきます。
「就活で疲れた肌を明日の面接で見られたくない女子大生のあなた!」
「(お酒を)飲む前に明日のことを考えてしまう新入社員のあなた!」
「飲んだ後しまったと思ってしまういつも後悔型のあなた!」
と呼び込んでみれば、道行く人は「私のことでは」とレセプター・聞く耳が開きます。アンテナに反応します。
何を食べようかと迷っているグループは、みんな遠慮がち、仲間に気を遣いあっている、決断力のないメンバー、決断するリーダーがいない等など。ですからその店の今日の一押しを提示すればいいのです。
「どこの店にするか迷っているグループにぴったりの●●(例えば食材・メニュー)が一押しの□□(店舗名)へどうぞ」と声をかけてみればどうでしょうか。
「迷っているグループは我々だ!」と、レセプター・聞く耳がキャッチするということです。
呼びかけの声も会話のきっかけです。気分を動かす会話の力です。
ちょっとはにかんだような笑顔のサンドイッチショップのマスター。
ニューメニューのサンドイッチのできあがりを待っているお客さんに、今美味しいのを作っています、あと1分待ってくださいね、とひと言。
この前のチラシにあっておいしそうだったので、とお客さん。
ハワイが当たりますよ、とポスターを指差しています。
“写メ”でサンドイッチを食べているところを写すのだそうです。
仕事のやりくりでいっぱいだった頭は、マスターのひと言で、気分はちょっとハワイに動きます。
自分写メでも撮ってみましょうか。初体験ですが。
会話の力。それは、気分を動かす力です。
青柳教恵あおやぎみちえ
OFFICEAOYAGI 代表
人生100年時代を生きる人と組織、社会の成長を願って。 自分らしく生きるための「仕事」「生活」「サードステージ」のヒントを人材育成研修講師・キャリアコンサルタントの視点で提供していきます。 日本航…
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